第2話 魂の世界



鐘が鳴った直後とっさに動き始めたもののみ違う部屋へ転移した。


「いってぇ。どこだここ?ストラ!?」


–––いない?どこなんだここ俺はどこへ転移された?なんなんだ?この白い部屋は?


「おーや、お目覚めですか?」


と脳内に直接伝わってきた。イラは白い部屋にいる。周りを見渡しても誰もいない。カメラのようなものもない。


「誰だ!?」

「私は、貴方の敵です。いずれ会うこととなる者ですよ。」

「僕の敵?そんなことはどうでもいい。ここはどこだ!」

「魂の世界とでも言いましょうか。」


–––魂の世界?何を言っているんだこいつは。俺は試験を受けに来たはず。


「試験ですか?あぁ昇級のですか。人間はまだそんなものをやっているのですか。まぁいいでしょう。」

「思っていることがわかるのか!?」


とっさに360°確認する。しかし誰もいない。


「まぁ。魂の世界ですからね。当然ではありませんか?」

「そう、なのか?ところでストラたちは、どうした!?」

「おそらく、大半は死にました。鐘がなった時動いていませんでしたらね。」


–––何を言っているんだ?こいつは。訳がわからん。


「死んだ?大半が?馬鹿なこと言うなよ、ストラはどうしたんだ?」


「あぁ隣にいた。おそらく死んでますよ。反応が遅れましたからね。」


その瞬間白い部屋が一気に崩壊した。周りは腐った魔獣の匂いが漂っていた。木も枯れており、建物を無くなっている。とここで光が、眩しすぎて何が起こったか理解出来なかった。


「どうして壊すんですか?イラさん?」

「ストラが死んだ。他のみんなも。王都はどうなっている!?母さんは!?」


イラがここまで取り乱すことはこれまでなかった。


「おそらく、貴方の家周辺まで全て壊れているでしょう。しょうがないですねー」

「母さんまで死んだのか?お前がやったのか?」

「いえ、と言っておきましょうかね。」

「お前さっき大半って言ったよな生き残っている人たちはどこにいる!?」

「おそらく瀕死でしょうかね。ふふふ。まぁどうでもいいいいでしょう他人の死なんてね。」


–––どうしてこいつは人が死んでいるのにこんなにヘラヘラしていられるんだ?死んだんだぞ大勢が!


白い部屋に1人うずくまっていた。1人で嘆いていても何も変わらないのはわかっている。しかし親友が死んだのだ。母親が死んだのだ。同じ試験を受けにきた仲間が死んだのだ。普通でいられるはずがない。


「殺してくれ。」

「今なんと?」

「殺せ。この俺を殺せ!そんぐらい容易いことだろ!?殺せよ!!!ストラも母さんも、みんな死んだなぜ俺だけ生きている!?」


怒りに満ち溢れていたこんな現実受け止められるわけない。もうあの声は聞けない。もうあの暖かい料理は食べられない。もう馬鹿な話をして一緒に笑い会えない。もう何も出来ない。


––––こんな世界滅びればいいのに。


その時白い部屋が一気に黒くなった、光が無くなった。自分が自分であるという証明が出来なくなった。


「チカラガ、ホシイカ?」

「奴が出てきましたね。私は退散します。またすぐ会いましょうか。最悪の子よ。」


魂の世界がとかれた。おそらく話しかけていた奴が展開していたのだろう。それから10分程だった時。


「モウイチド、トウ。チカラガ、ホシイカ?スベテヲ、コナゴナニデキル、チカラガ。」


「今度は誰だよ!!もう殺してくれよ!こんな世界どうでもいい。もうダメだよ。」


「キサマハ、シニタイノデアロウ?ワレガコロソウ。ソノカワリ、ワレヲキサマノナカデセイカツサセロ。」

「何を言っているんだ。殺してくれるんだった頼むよ」

「ケイヤク、セイリツダナ。」


途端激しい闇がイラを包んだ。おそらく一瞬の出来事であったのだろう。しかし、イラには、とてつもなく長く感じた。



「大丈夫かっっ?おい!息はある担架をもってこい!!!」


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