#46 少女と元カノ
※サキ視点
クミがコータに色仕掛けとか、ヒナタがBLにハマってるとか、頭痛くなってきたわ・・・
私を除いた3人がラノベの話で盛り上がってるのを横目に、私は「ドウシテコウナッタ・・・」と頭を抱えていた。
可愛くて誰にでも優しくて癒し系美少女と呼ばれたクミが、キツキツのスクール水着きて好きな男子に色仕掛けとか、美人で清楚でお淑やかで高嶺の花と呼ばれたヒナタがBL好きと人目も
「サキちゃん、クミちゃんにコータくんとのこと、ちゃんと話そうと思う」
「今日?」
「うん、今日なら話せそうな気がする」
「そっか。 うん、そうだね。 今日の様子だと、お互い冷静に話し出来そうだね」
「サキちゃん、ごめんね。付き合わせちゃって」
「ああ、いいよいいよ。それにクミにも話して欲しいってお願いしたの、私だしね」
「ありがとう、サキちゃん」
その後、席に戻り、ヒナタはクミにコータとのことを全て話した。
過去の杉山との関係。
男性が苦手になった原因。
周りの女子からイビられるようになったこと。
私やクミと友達になりコータと出会ってコータに想ったこと。
コータと付き合っていく中での苦悩。
杉山との再会とコータと別れようと決意したこと。
コータと別れ、杉山にも逃げられたこと。
本当は、杉山のことが好きでは無く、体も許していないこと。
クミに嫌われようとわざとウソを話したこと。
今は、コータに対しての謝罪の気持ちとクミの邪魔をするつもりは無いこと。
ヒナタの長い話を聞いたクミの第一声は
「ヒナタちゃん、杉山に体許してたっていうの嘘だったの!? そっかぁ、じゃぁまだ
「うん・・・嘘ついてごめんね・・・」
「あー、嘘つかれて怒ってるとかじゃないから気にしないでね。 ただ、杉山みたいなのに体許したっていうのがどうしても気になってたから、それが事実じゃなかったって解って安心したの」
「そっか・・・クミちゃん、ホントに優しいね・・・」
「えーっと、それで、コータくんとのことなんだけど、コータくんには男性が苦手で体触られるのが怖かったこと、伝えてないんだよね?」
「うん・・・言えなかった」
「実は、私もコータくんからその頃の話し聞いてるの。聞いた時「あんなにヒナタちゃんに尽くしてたのに、手も
「やっぱり、コータくんも怒ってるよね・・・」
「んー、コータくんは怒ってなかったね。むしろ自分の力不足だって反省してた。 ヒナタちゃんに気を遣い過ぎて、楽しむことを忘れてたって。だから上手くいかなかったんだろうって言ってたよ」
「うう・・・コータくんは悪くないよ。悪いのは私なのに・・・やっぱり一度コータくんにもキチンと話して、改めて謝った方のがいいよね・・・?」
「待って待って待って、コータくんと話すのは少し待って欲しい」
「この際だから私も話すけど、私、修学旅行中にコータくんに告白したの。でも、コータくんからの返事は保留になってる」
「なんで保留になってるかっていうと、コータくん、ヒナタちゃんに振られたことがトラウマになってて、私と付き合ってもまた捨てられるんじゃないかって怯えちゃって、それで答えは直ぐに出さなくていいからって保留にしてもらってるの」
「トラウマのこと考えると、今日話してくれた事実を教えることで、トラウマから抜け出せる切欠になりそうにも思えるけど、でもヒナタちゃんとの当時の事を思い出させて、もっと酷くなる可能性もあると思うんだよね」
クミの話を聞いたヒナタは、今日ニコやかにお喋りを楽しんでいたのがウソの様に、青い顔して絶句していた。
「私が告白したとき、コータくんの体ぶるぶる震えてたんだよ。「また捨てられるのが怖い」って。最近ずっと明るく振舞ってたし、本人もヒナタちゃんのこと吹っ切れたって言ってたのに、いざ当時のこと思い出すと、やっぱり辛いみたいなの」
「ごめんなさい・・・・私やっぱりコータくんに・・・・どうしよ・・・」
「私もどうするのが一番ベストなのか解らないけど、今はコータくんに直接接触するのは止めて欲しいの。ヒナタちゃんがコータくんに謝りたい気持ちはわかるけど」
「うん、わかった・・・色々とホントにごめんなさい」
「ううん。でもちゃんと話してくれてありがとうね。コータくんのことは私に任せて。 ・・・・(コータくんの心を癒す役目は、もう誰にも渡さないから)」
「・・・・」
最後、クミが呟いた独り言は、ヒナタには聞こえなかった様で、私も聞こえなったフリをした、
しかしこうして、クミとヒナタの間にあった嘘や誤解は全て取り除かれたことだろう。 まだ
それにしてもスク水とBLって・・・
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