#43 スク水要員の必要性





 夏休み初日こそ、朝早すぎてグダグダになったりクミちゃんママに翻弄されたりとあまり宿題が進まなかったけど、二日目以降、順調に宿題を消化していった。


 巨乳のクミちゃんが、その大きなおっぱいをズドーンっとテーブルに乗せて勉強に集中している姿に密かに欲情したり、それがバレたり

 休憩になると「コータく~ん、肩凝ったから肩もみしてぇ~」とクミちゃんに甘えられて、僕もデレデレしながら肩マッサージしてあげたり

 チョコちゃんには「わたしもお兄ちゃん成分の補給させてくださぁい♪」と甘ったるい声で抱き着かれて甘えられたり

 と、相変わらず安っぽいハーレムタイムを楽しみつつ、宿題だけは3人とも真面目に取り組んでいた。



 ただ、自分たちで決めて始めた宿題強制消化合宿中だったけれども、あまり根詰め過ぎても息切れしちゃうということで、海水浴で着る水着を買いに3人で買い物にも行った。




 最近定番になりつつある市内のショッピングモールに午前中から出かけた。

 勉強続きで久しぶりのお出かけだからか、二人ともおしゃれしてバッチリメイクしてた。


 今回は、クミちゃんとチョコちゃんが仲良く腕組んで歩いてて、僕は二人の後を付いて回るだけ。

 たまにクミちゃんが「コータくん、一人で寂しい?」と何故か嬉しそうな顔して聞いてくるので『別に寂しくなんかないんだかんね!』と強がっておいた。


 寂しくないの、ホントだよ・・・?




 水着のお店では、みんなであれこれ意見出しながら、それぞれの水着を選んだ。


 僕は特に悩まず、ハーフパンツタイプの在り来たりなやつ。


 チョコちゃんは、ヒラヒラが付いたオレンジ色の花柄ビキニ。


 クミちゃんは、大人っぽく黒のシンプルなビキニ。


 チョコちゃんもクミちゃんも、試着した姿は「コータくんには本番のお楽しみ!」と言われて見せて貰えなかったけど、試着室に籠った二人がお互いの水着姿にはしゃいでいる声を聞くと、ホントに楽しみだった。


 水着買った後は、二人が「コスメも少し見たい」と言うので、化粧品のお店に少し寄って、それからハンバーガーショップで軽い昼食食べてから帰った。


 帰りのバスで僕が『二人のビキニ、絶対可愛いよね! 早く見たいなぁ~。 あ!海以外にもプールとか行っちゃう!? そういえば、ウチに子供の頃に使ってたビニールプールあったな・・・ウチの庭でもプールで遊べるよ!』とはしゃいでたら、「コータくんのおウチの庭なら、人目も気にしなくていいしゆっくり出来るから、意外とアリだね」とクミちゃんも乗り気になって、ウチでお泊り会する時にでもお庭でのプール遊びすることになった。


 チョコちゃんはお庭プールと聞いて「こ、これは定番のプール回ですね!? スク水ですか!?お兄ちゃんはスク水を所望ですか!?一人はスク水要員必要ですよね!?」と、折角可愛いビキニ買ったのになぜかスク水に異常なこだわりを見せていた。

 それ聞いて「スク水だと・・・(ごくり)」とぼそっと呟いていたクミちゃんが少し気になったけど、まぁ気のせいだろう。





 水着を買いに行った日は「午後も勉強はお休みにしよう」となり、チョコちゃんのお家に行って、ゲームしたりチョコちゃんのラノベコレクションを借りて読んだりして過ごした。

 それで、途中からチョコちゃんのイメチェンの話になって「海とか行く前に無駄毛の処理はJKの嗜みだよ?」とか「髪染めてもっと明るくしよう」と、クミちゃんが色々レクチャーしてて、今度二人でクミちゃんがいつも行ってる美容院に行くらしい。


 たまにチョコちゃんがクミちゃんのことを「クミ姉さま♡」って呼んでるけど、なんかホントに仲良し姉妹みたいだね。


 それと、チョコちゃんの勉強机に修学旅行初日の朝に3人で写した写メを印刷したのか、写真立てに入れて飾ってあって、それ見て僕もクミちゃんも顔を見合わせて「うふふ」って嬉しくなった。





 因みにだけど、チョコちゃんの部屋は流石オタクだけあって、ラノベだけじゃなくて漫画やゲームがいっぱいある。

 僕もどちらかと言うとそっち側の人間なので、チョコちゃんのコレクションは飽きることなく楽しめて、でもクミちゃんは違うと思ってたら、いつの間にかチョコちゃんに洗脳されてて、ラノベだけじゃなくチョコちゃん秘蔵の薄い本まで借りてた。


 オタクの繁殖力恐るべし。

 なんか、ゾウリムシが増えていく様子が頭に浮かんだ。








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