甘苦の章

#42 ママさん無双



 眠い・・

 今日から夏休みだと言うのに、なしてこげな時間に起きねばならぬ・・・



 我らがボス、クミちゃんが「みんなで集まって勉強するなら朝からやろう! そうだ、ラジオ体操参加して、朝ごはん食べて、それで勉強開始!」と言い出してしまい、僕とチョコちゃんの必死の抵抗も空しく「いいじゃん!少しでも長く一緒に居られるんだよ!」との殺し文句で、僕たちは抵抗を諦めた。



 で、初日である今日、クミちゃんちに朝の5:45に集合。

 チョコちゃん天パ頭爆発してるし、クミちゃんはスッピンでゾンビみたいな死に顔してるし


『いや、チミたち! 女捨てちゃってるよ! 花のJKどうした!?』

 と発破かけても


「ん~」とか「お~」としか言わない。

 こりゃ、明日からはラジオ体操なしだな。


 しょうがないから、二人の手を引っ張って、クミちゃんちの近所の公園まで連行して、じーさん&ばーさんたちが集まってラジオ体操してるのに混ぜて貰って、とりあえず任務達成。



 また二人の手を引っ張ってクミちゃんちに戻って、朝ごはんどうするのかな?って思ってたら、クミちゃんママが用意してくれてたけど、二人とも食卓で箸持ったまま寝ちゃったよ。


 どうすんだよ! クミちゃんママと二人で何話せばいいのさ!って焦ってたら、クミちゃんママ、クミちゃん以上にグイグイ来る。


 流石クミちゃんのママだけあって、若くて滅茶苦茶美人でさ、ウチのかーちゃんとは大違い。

 そんで僕の隣に座って、肩バンバン叩いたり、頭撫でてきたり、手握ってきたりしながら

「コータくん、学年1番なんだってね! クミの勉強見てやってネ! あの子成績はイマイチぱっとしないのよね~」

「コータくん、クミとはどこまで進んだの? 内緒で教えてよ♪ いいじゃんいいじゃん♪」

「ウチってクミしかいないでしょ? コータくんみたいな息子が欲しかったの! よかったらこのままウチの子になっちゃう? うふふふふ」

「コータくんは、好きな食べ物って何なの? 遠慮しなくてもいいよ~! 腕によりかけて美味しいご馳走作るからね!」

「あ、そうだ!今日泊まっていきなさい!うん!そうしましょう!」


 いやもう『はぁ』とか『えぇ』とか『まぁ』とか

 そんな返事しか出来ないのに、何かドンドン変な方向に話が進められちゃうの。


 これがラノベでよく見るウザ絡みってヤツか・・・

 誰か助けてーって思ってクミちゃんたちの方見ると、ゾンビ顔で寝てるし。


「ねね!コータくん、後で食料品の買い物付き合ってよ!荷物持ちしてくれる男の子居てくれたら助かるわぁ♪ あぁクミのことなんてほっとけばいいわよ。二人で行きましょ♪」


 おいクミちゃん、チミのママ、こんなこと言ってるけどいいのか?

 チミの愛しのコータくんが、美魔女ママに捕食されちまうぞ!



 結局、ゾンビ二人が起きてくれないのでクミちゃんママに拉致られて、2時間買い物に付き合わされた。

 買い物中ずっと腕組まれてぶるんぶるんのおっぱいずっとグイグイ押し付けられてた。


 クミちゃんママは、おっぱいがクミちゃんGカップよりも大きくて弾力が生々しくて、それでふいにジーっと見つめられてニコリとかされると、背徳感半端ない。 もう何度降参して『あなたの息子になります』と言いそうになったことか。




 買い物から帰るとクミちゃん起きてて「うわきもの!」って怒ってるのに「デート楽しかったね♪ コータくん♪」とかクミちゃんママが僕の腕組んで挑発して煽るもんだから、(もうこのおウチ怖い)って思った。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る