#40 夏休みの計画






 修学旅行翌日から直ぐに授業が再開され、そしてあと1週間もすれば夏休みだ。


 僕たちぼっち軍団は、修学旅行の為に集まった班だけども、修学旅行が終わった後も今日も今日とて放課後空き教室に集まり、みんなでお喋りしている。



 鈴木さんに『鈴木さんが古墳好きとは知らなかったよ』と話せば、古墳の魅力や好みの古墳について多いに語ってくれて、近藤くんに『今からテレパシーの検証しよう!』と提案すれば「きょ、今日は調子がイマイチですから・・・」と往生際が悪く、チョコちゃんからは「こ、今度のお休み! お兄ちゃんのお家に遊びに行ってもいいでしゅか!?」と聞かれ、『君のお兄さんは、君を捨てて新しい家族の元で今は幸せに暮らしているんだ。諦めるんだ』と諭したりしている。

「やだ!」って言われたけど。




 クミちゃんとは、以前よりも更に距離が近くなったと思う。

 というか、クミちゃんの遠慮がなくなった?リミッター解除された? もう所構わずグイグイくる。


 以前だったら、二人きりの時しかしないようなスキンシップを教室だろうが下校中だろうがしてくる。

 お揃いのリュックで毎日登校していることもあり、周囲からは完全に”クミちゃんの彼氏”として見られていることだろう。

 僕は『クミちゃん、すまねぇ』と謝るが「いつかは本当にそうなるんだから別にいいじゃん」と全く気にしていない様子。

 なんか、自称ナイーブな僕に比べ、クミちゃんのがいさぎよくて男らしく見えちゃうね。



 それと、クミちゃんとチョコちゃんも凄く仲良くなってる。

 修学旅行の前から仲は良かったけど、旅行を期に更によくなってる。ちょっと嫉妬しちゃうくらいだ。

 そういえば旅行中、ちょいちょい「クミ姉さま♡」とかチョコちゃん呼んでたな。

 因みに、クミちゃんのお陰でイメチェンしたチョコちゃんだが、中身は相変わらず(教室ではオドオド、仲間内では性癖駄々洩れ)なので、あまり変化はないようだ。多少、クラスの女子から話しかけられるようになったくらいかな。






 それでですね、夏休みを控えて、この夏の計画を立ててる訳ですよ。


「夏と言えば、海水浴でしょ」

『いや、キャンプもいいよ』

「バーベキューならウチのお庭でできるよ」

 などなど、僕とクミちゃんが話すのだけども、ぼっち先輩たちには「陽キャイベントばかりじゃねーか!」と怒られた。


 じゃぁ何するのさ、と問えば「家から出ないでクーラー効いた部屋でじっとしてる」と口を揃えてのたまう。


 まぁ仕方ないか。

 長期休みはぼっち先輩たちにとっても貴重な時間だし、無理矢理ひっぱり出すのも悪いし。


 あ、でもチョコちゃんだけはクミちゃんから強制的に連行することを宣言されてた。




 結局、少し遠出しての海水浴に、クミちゃんちの庭でバーベキューに、僕のウチでのお泊り会などなど色々話が出ていて「3人で色々遊ぼうね」ということになった。


 今からクミちゃんGカップの水着姿が超楽しみ。

 あ、でも他人には見せて欲しくないな・・・


 そんなこんなで話の流れで、夏休みを思いっきり満喫する為に、最初の2週間を目途に宿題強制消化合宿をすることになった。

 場所は、3人の家をテキトーに交代で回る感じで。




 それで、折角だからと3人で手書きの「夏休みの計画表」を作った。


 クミちゃんがスケッチブックに、1日目から1日づつ細かく予定を書き込む。

「勉強」だったり「海水浴」「BBQ」「女子会」等々。

 中には「デート(コータ&クミ)」「デート(コータ&チョコ)」というのもあった。


 横から僕とチョコちゃんが、それにあーだこーだと意見や文句を付け加える。

 あんまり詰め込み過ぎると大変になってくるから、「未定」の日も多めにしてもらった。


 次に、色鉛筆を使って3人で色を塗ったりイラストを付け加えたりした。


 完成した計画表は、小学生の夏休みの宿題みたいで、可愛く出来た。

 計画表の原本はクミちゃんが家に貼ると言うので、僕とチョコちゃんは写メに保存して、いつでも確認出来るようにした。








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