#33 フェイク・メガネ
修学旅行初日の宿泊施設にて。
クミちゃんにたらふく高級菓子喰わされたせいで、晩御飯が少ししか食べられず、残りはマサカズに押し付けた。
クラスのみんながワイワイがやがや楽しく食事してるのに、僕一人だけ一口食べるたびに『う”』ってなってさ、なのに僕の隣の席に陣取って食事してるクミちゃん見たら、満面の笑顔で美味しそうに食べてるんだよ。
この世は理不尽なことばかりだ。
食事の後は、お風呂タイム。
男のお風呂の話なんて面白くないから、割愛。
お風呂の後は、消灯時間まで自由時間。
僕とマサカズは同じ二人部屋で、僕が大人しく寝てるって言ったらマサカズはどっか他の部屋に遊びに行っちゃって、それで部屋暗くして一人で寝ることにした。
朝早かったし色々疲れてたのもあって直ぐ熟睡しちゃったんだけど、何時か解らないけどパッと目が覚めてさ、そしたら何んか居るの、僕の寝てるベッドに。前と後から正体不明のなにかが圧迫してくるの。ギューって。
超びっくりして、マジで恐怖でさ、お化けかと思って『ぎゃぁぁぁぁぁ!』って叫んじゃって、そしたら相手も「きゃぁー!」って悲鳴あげて、正体解った。
クミちゃんとチョコちゃんだった。
ちょっと漏らしちゃったよ、僕。
慌てて部屋の電気点けたら、「来ちゃった♡」とかクミちゃんに言われて、イラっとして思わずアイアンクローした。
クミちゃんのタップ(ギブアップの合図)無視してアイアンクロー続けながらチョコちゃんの方チラ見したら、僕の寝てたベッドに顔
そのあとトイレでパンツ履き替えて、部屋戻って二人を正座させて事情聴取したら、クミちゃん、マサカズから部屋の鍵まきあげて遊びにきたけど、僕が寝てたから悪戯心が湧いて、それで驚かそうとして二人でベッドに潜り込んで僕に抱き着いてたら、予想以上に僕が驚いてチビった、と。
それでさ、僕が真剣にお説教してるのに、クミちゃんはソッポ向いて
『とにかく! 僕は寝るの!』
「えー、折角の修学旅行なんだから、あそぼーよー」
「ね、寝るなら、わた、わたしも一緒に!」
「あ、チョコちゃんずるい! 私も一緒に寝る!」
なんでアイアンクロー&ヘッドロックにお説教までされてるのに、この人たち楽しそうなの? なんなんだ、この安っぽいラノベハーレム展開は。
あ、でもラノベの主人公はチビってパンツ履き替えたりしないか。
『もう、わかったよ。好きにしてくれよ。 僕はパンツ洗ったら寝るけど、二人ともマサカズ戻ってきたら自分の部屋に帰ってよ?』
それ聞いた瞬間、クミちゃんの顔が一瞬「ニヤリ」ってしたのを僕は見逃さなかった。
だから僕が寝ているベッドに二人がモゾモゾ入って来ても、ガン無視してガチ寝してやった。 僕はラノベのクソ主人公どもと違って、女子が居たってドキドキしないで平気で寝れるんだよ!
次の日の朝起きたら二人とも居なくなってて安心したのも束の間、顔を洗おうと洗面所に行って鏡見たら、顔にマジックでメガネ描かれてた。
マサカズがそれ見て爆笑してて、ムカついたから消さずにそのまま朝食に行った。
食堂で会う人会う人に笑われスマホでパシャパシャ撮られて、それでも無視して普通に朝食食べてたら、担任に捕まってめちゃくちゃ怒られた。僕、被害者なのにさ。
後でチョコちゃん捕まえて
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