#29 悪徳商人と悪代官
※クミ視点
チョコちゃんとの共闘関係も無事結ぶことが出来た。
ココからは、もう1つの目的について進めていこう。
「チョコちゃん、前々から試してみたいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
「はい、なんでしょうか?」
「チョコちゃんって、いつもメイクしてないよね? お化粧。 一度、チョコちゃんにお化粧してみたいの!」
「エ、エェー・・・・」
「チョコちゃんって、普段は前髪で目元隠してるし、あまり人と目を合わせようとしてくれないから分かりづらいけど、凄く素材はいいと思うの!」
「髪の毛伸ばしてた頃はどうしても地味な雰囲気漂わせてて私も気が付けなかったけど、最近ショートにしたでしょ? それでピンと来たの! ヘアスタイルもう少しいじってお化粧したら絶対化ける!って」
チョコちゃんの容姿を説明すると、一番に目につくのは天パの髪。伸ばしていた頃は
そして顔の方はというと、前髪で隠しているけど目元はパッチリしてて、普段は自信無さげにしてるから全く目立たないけど、ラノベやコータくんが絡んで興奮してる時の顔は、目をパチパチさせて生き生きとしてて、これまた可愛らしいんだよね。
唇も薄目で整った形してるし、お肌だってソバカスが少しあるけど色白で、そのソバカスもチャームポイントとして活かせそうだ。
ということに、最近気が付いたの。
一番は、ショートカットにヘアスタイルを変えた時かな。
つまり、今日のもう1つの目的は、チョコちゃんをもっと可愛く変身させたいのだ。
私は自分だけではなく友達とかにメイクするのも好きで、こういう良い素材してるのに
「で、でも・・・私みたいなのがそんな大それたことしたら、コイツ調子にのってるって、上履き隠されたり教科書に落書きされたり体操着隠されたり生理用品机の上に並べられたり・・・とにかく私にはムリです・・・・」
「ちょ、ちょっと待って! チョコちゃん今までそんなことされてきたの!? ドコのドイツよ! 今からそいつブッ飛ばしてくる!」
「あ、ああ、あの!違います! 今はそんなことされてません! むかしの中学のころの話で・・・」
同性からの妬みや嫌がらせは私にも経験がある。
一度植え付けられた恐怖は、中々
だからと言って、簡単に諦めるつもりは無い。 いや
「チョコちゃん、私がコータくんの彼女でチョコちゃんがコータくんの妹でしょ?」
「はい・・・?」
「ていうことは、私がコータくんと結婚したらチョコちゃんは私の妹になるよね?」
「そ、そうなんですか・・・?」
「お姉ちゃん、妹にメイクしてあげたりオシャレさせたりして一緒に仲良くお出かけするのが夢だったの!」
「ほえ?」
「だーかーらー!私とチョコちゃん、仲良し姉妹としてお化粧やおしゃれを一緒に楽しみたいの!」
私の言葉を聞いて、チョコちゃんが「う~む」と考え込み始めた。
「クミちゃんがお姉ちゃん・・・だと!? こ、これは・・・・ハッ!!!」
「コータくんがお兄ちゃんでクミちゃんがお姉ちゃん!なんで今まで気が付かなかったの、私! しゅ、しゅごい・・・ここは桃源郷ですか!? 嗚呼、クミ姉さま! 尊みが限界突破! こ、これは
かなり強引なこじつけ論法だったけど、何とか琴線に触れる事が出来その気にさせることに成功したようだ。
若干、壊れ気味だけど。
そもそも、私はまだ恋人じゃないしチョコちゃんだって妹じゃない。けど、チョコちゃんの中ではその辺り
今日は初めてということと、明日からは自分でメイクして貰うことになるので、基本的で簡単なことだけを実際にやりながら教えることにした。
スキンケアから始めて下地作り、眉を整え、アイメイクとチークの加減にリップの色選び。
最後にヘアスタイルは、今の長さのまま数パターン結い方を試した。
小一時間程でひとまず完了。
やはり私の目に狂いは無かった!
鏡で自分の顔見たチョコちゃんも、ブルブル震えて言葉失ってた。
「チョコちゃん、可愛くなったでしょ? お姉ちゃんの言うことに間違いはないのよ♪」
「あの、あの・・・」
「名付けて、チョコ・イモウトバージョン♪ これでコータくんも妹チョコちゃんにメロメロだね!」
「ハワワワワ」
「そだ! 写メ撮ろう! チョコちゃんのスマホ貸して? 後で自分でメイクする時、写メ見れば参考に出来るからね」
私のスマホでも写メいっぱい写して、二人でのツーショットも沢山撮った。
その後お昼ご飯を食べたあと、一旦メイクを落としてチョコちゃんが一人でも出来るようにレクチャーしながらメイクの練習をした。
メイクに使用したお化粧品は、私のお下がりだけど全部プレゼントした。
最初遠慮していたけど「明日からの修学旅行、コータくんとのラブラブタイムを作るのに協力頼みますぞ?」と悪徳商人みたいに言ったら「そちも悪よのぅ」って悪代官風に受け取ってくれた。
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