#24 少女の暗躍
※クミ視点
コータくんのグループに混ぜて貰うようになってから、全てが順調にいってる。
大好きなコータくんをいつも間近に見れて、時には見つめ合い時には触れ合い。
もちろんコータくんだけじゃなくて、チョコちゃんたちとも楽しく過ごせてて、休日にも一緒にお出かけした。
お出かけと言えば、コータくんから服装のことでアドバイスを貰って、言われてみれば普段の私の服装だと確かに浮いてしまうに違いないって思って、地味な服を選ぼうとしたんだけど、お出かけ用の地味な服なんて持って無くて、結局いつも家で部屋着代わりに着てるジャージでいいよね?ってことでジャージにした。
思いの外これがしっくり来ちゃって、いつも気合いれてオシャレしてたのに、ジャージだと凄い解放感があって楽なんだよね。
チョコちゃんたちは私のジャージ姿みても誰も「ダサイ」とか言って馬鹿にしないし、コータくんもいつも通りの態度で居てくれた。
やっぱり、ココのみんなと居ると凄くリラックス出来るし、楽しいなぁ。
買い物では、コータくんとお揃いのリュックを買った。
コータくんは、私たちの関係を誤解されるんじゃないかって心配してたけど、それ狙ってワザとお揃いにしてるのにね。 チョコちゃんも同じこと考えてたのか、お揃いだけど色違いを選んでた。 色違いにしたのはきっと私に気を使ってくれたんだと思う。 やっぱりチョコちゃんも良い子だ。
お出かけ以外にも、グループの勉強会に参加させて貰った。
みんな成績が上位の人ばかりで、いつもの雰囲気と違ってマジメに勉強してた。
私も少しでも成績上げて、みんなに少しでも近づきたくて、学年1位のコータくんにひっついて勉強見て貰った。
テスト直前の週末になると、チョコちゃんが休日も勉強会したいって言い出したから、これはチャンス!とばかりに強引に3人での勉強会を決めた。
コータくんのお家での勉強会は、チョコちゃんがぶっ壊れて可笑しなことになってたけど、「コータきゅんのこと、おにいちゃんって呼んでもいいですか!?」って聞いて、ああ、チョコちゃんが言ってた「コータくんにはお兄ちゃんになってほしい」ってこういうことかって、妙に納得しちゃった。
だから私もチョコちゃんの援護とあわよくばコータくんともっとスキンシップするチャンスだと思って、私も「おにぃ♪」って呼ぶことにした。
二人で「おにいちゃん♪」「おにぃ♪」って呼ぶと、流石のコータくんもタジタジで、それが何だか面白くなっちゃって、二人で調子にのってお兄ちゃんの取り合いしちゃった。
なんか、チョコちゃんの性癖、私も少しハマりそう。
今度、チョコちゃんにラノベ借りてみようかな。
しかし、休日勉強会二日目に、邪魔者が現れた。
コータくんと一番仲が良い、マサカズくんだ。
最近色々と上手く行ってたからこの人の存在、忘れてた。
ある意味一番厄介な存在だ。
良い人なんだけど心配性でお節介焼きな性格だから、コータくんにも私にも遠慮なく色々言ってくる様な人だし、今後、私の脚引っ張ったり邪魔したりしてくるかもしれない。
実際、勉強会の間もアレコレ私に言ってくるし。
コータくんとのことだって、折角慎重に外堀埋めてる最中なのに、空気読まずに「付き合ってるのか?」とか平気で聞いてきた。
もうなんなの?バカなのこの人?ってすっごいイライラしちゃった。
コータくんの前なのにさ・・・
だから、コータくんのお家からの帰り道、釘を刺すことにした。
「マサカズくん、気が付いてると思うけど、私、コータくんのことが好きなの」
「まぁそうだろうな。流石に今日の様子見てたら解るよ。 でも前はそんな風に積極的じゃなかっただろ?」
「そうだね。 ヒナタちゃんのことや最近のチョコちゃんたちと仲良くしてる様子見てて、指加えて我慢するのを止めたの」
「私、本気だからね。マサカズくんでも邪魔するなら容赦しないから」
「容赦しないって・・・お前、変わりすぎじゃない?」
「ううん、私ホントはこういう性格なの。 今までがお人好しで善人のフリしてただけだから」
私の言葉を聞いてマサカズくんは言葉を失ってたけど続けた。
「子供の頃から男の人はみんないやらしい目で見てくるし、女の人は妬みや嫌味ばかりだったの」
「だからずっと仮面被って自分を守ってきた。でも、コータくんはそんな奴らと全然違った」
「杉山に絡まれてた私たちを体張って守ってくれた。コータくんにとって何も得することないのに、ずっと続けてたサッカー辞めてまで守ってくれた」
「なのに私たちに気にさせない様に何でも無いような平気なフリまでして」
「もうそんなの好きになるに決まってるじゃん。あの時からずっとずっと好きだったよ」
「ヒナタちゃんと付き合ってる時も、別れた今も、私はずっとコータくんだけを好きなの」
「だから「もう解ったよ。 辛い話させてすまなかったよ」
「そう・・・判ってくれたなら、良かった」
「そうだ、1こ協力してよ」
「ん?なんだ?」
「マサカズくん、修学旅行のバス、コータくんと一緒の席でしょ? その席、私に譲って」
「ん~・・・わかった。 でも、水木ヒナタのこととか大丈夫なのか? そんなあからさまにアプローチして」
「うん、大丈夫。ヒナタちゃんにもはっきり”私がコータくんのこと好き”だってこと言ってあるから」
「そうか。 マジで本気なんだな、コータのこと」
こうして、マサカズくんからの邪魔も封じて、更にバスのコータくんの隣もゲットした。因みに、元々の私の席はヒナタちゃんの隣だ。ヒナタちゃんもマサカズくんも散々気まずい思いして、少しは反省して貰おう。
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