#21 二人でお出かけ、これはデート




 白の半袖の薄手のニットにあずき色のハイウエストのスカート。

 黒のタイツに足元はクリーム色で少しヒールが高いパンプス。

 何という系統のおしゃれかは知らないけど、クミちゃんらしい品の有る大人っぽいコーデだ。それに程よくおっぱいが強調されてて、ついつい視線が向いてしまう。


 メイクもいつもよりもバッチリきめているのが解る。

 ツヤのあるピンクの唇がぷるんぷるんしてて凄く色っぽい。


『どどどどどしたの!? 滅茶苦茶気合入ってない!? ジャージもう止めたの!?』


「デートなんだから、おしゃれするの当たり前でしょ?」


『え!? デートなの!? お菓子と下着買うだけでしょ???』


「それでも、二人でお出かけするんだからデートでしょ!」


『そっか・・・デートなんだ・・・』


 強がったり鈍感なフリするその辺のラノベのクソ主人公とは僕は違う。僕はただの童貞男子高校生だ。こんな巨乳美少女にデートと言われて・・・・


 うぉぉ!テンション上がってきたぞ!!!!


「バス来ちゃうよ。早くいこ?」

 そう言って、クミちゃんは僕の左腕に自分の右腕を絡ませてきた。

 もちろんおっぱいが腕にぶよんぶよんと当たる。


 歩きながら思わずハイテンションに『デート楽しいね!』と言うも「まだデート始まってないし」と冷静に返された。


 バスに乗り込み座席に座ると、窓側のクミちゃんが「ん」と言って左手を出してきたので、僕は右手で恋人繋ぎした。


 やっべ、超楽しい。

 顔がニヤけるのが自分で解る。


 前に抱き着かれたり膝枕してあげた時はドキドキしたけど別にテンション上がること無かったのに、デートって言われた後だと、手繋いだだけでテンション爆上がり。


 クミちゃんの顔チラチラ見ながら(クミちゃん可愛いなぁ、いい匂いするなぁ、周りから見たら恋人同士に見えるかなぁ、クミちゃんのおっぱい柔らかかったなぁ、またモミモミしたいなぁ)ともう頭の中がクミちゃん一色。


 そんなこと考えてると、童貞丸出しでバレバレだったのか「なんか目つきがエロいよ?」とジト目で見つめられたので

『いやいやいやいや、エッチなことなんて・・・・そりゃ考えちゃうでしょ! ドーテーなめんな!』と逆ギレしておいた。


 でもクミちゃんも「なにそれ」って言いながらクスクス笑って僕の肩に頭をもたれ掛けてきた。



 クミちゃんがウチに来て色々愚痴を零してくれた日から一緒に居る時間がグっと増えて、クミちゃんも僕には取り繕うことがなくなって、以前よりも距離が近くなったと思う。


 デートって言われても、緊張するどころか素直に嬉しくてウキウキする。

 というか、手繋ぐと幸福感半端無い!

 僕の事を受け入れてくれていることが実感できる。

 こりゃ、コンビニで済ませずに正解だ。 


 クミちゃんも僕と同じように思ってくれてたら嬉しいなぁ。


 

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