#17 僕等の変化に親友は驚く


 日曜日の勉強会は、マサカズを召喚した。


 昨日の二人の横暴から、僕一人では抑えられないとの判断で、怒ると怖いマサカズをお目付け役として僕が呼んだ。


 流石のチョコちゃんも、マサカズを前にしては昨日のような真似は出来ず、大人しく勉強をしていたけど、クミちゃんはマサカズにビビることなくマイペースだった。

 因みにクミちゃんは、昨日も今日もジャージだ。


 マサカズは、プライベートでジャージーなクミちゃんを見るのは初めてだったらしく、相当びっくりしていた。

 しかも、ジャージークミちゃんが僕にベタベタしながら「おにぃ、ここ教えて♪」とかするもんだから、マサカズそれ見て絶句。「大丈夫か?コイツ」って顔してた。


 うん、僕も昨日同じこと思った。



 休憩タイムになると、マサカズはクミちゃんに質問責めを始めた。

「なんでジャージなんだ? 前はもっとオシャレだったろ?」

「てか、おにぃってなんだ? ぶっちゃけキモいぞ?」

「コータとそんなに仲良かったっけ? まさか付き合ってるのか?」

 などなど、普段学校で見るクミちゃんとのギャップにかなり戸惑っている様だった。


 当のクミちゃんは「もう!しつこい! コレでいーの!」と、これまた以前の癒し系美少女だった頃とは違う振る舞いで、更にマサカズを驚かせていた。



 そんな二人を余所に勉強に疲れたチョコちゃんは「こ、コータきゅん、おにいちゃん成分、補給させて?」と言って、胡坐あぐらで座ってる僕のヒザにしがみついてきた。


 あの~・・・その位置、あるんですが・・・とは言えず、しばらく好きにさせた。

 どうせ言っても聞いてくれないしね。

 いや、だからって、その体勢でスーハースーハーするの止めてね? 童貞には刺激強すぎ!



 僕がチョコちゃんたちとの交流から、失恋の辛さを乗り越えて変われた様に、チョコちゃんも以前のオドオドしていた頃から変わり、こうして性癖を他人にさらせるようになった。そしてクミちゃんも僕達と同じように自分に素直になって、僕たちの前では取り繕うことなく素の自分をさらけ出している。

 

 僕たちには当たり前の変化でも、マサカズの理解を超えていたのだろう。

 でもマサカズにもきっと解って貰える。

 だって、みんな面白い子たちばかりだからね。



 明日月曜日は期末試験本番ということで、この日は早めに解散することになった。


 クミちゃんはマサカズが、チョコちゃんは僕が家まで送っていった。

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