デート
あの日から何度かメールでやりとりして、ランチの約束をした。
今、待ち合わせ場所の駅に向かっている。このまま行けば、20分は早く着くな。妥当な時間だろうか。
西口の噴水。そこに桜花さんがいた。
今、待ち合わせ時間の20分前だけど!?いつから待ってくれてたんだ…?しかも仕事で着ている服とは違う服だ!かっわいい!
「すみません!遅くなって」
「いえ、私が早く来すぎただけです」
「ち、ちなみに何時からいました?」
「ちょうど10分前ですかね。どこかで時間をつぶそうとしていたところです」
「ほんと、すみません。このまま食べに行きますか?」
「ちょっと早いですけど行きましょう」
そのまま歩いていく。今日は頑張ってエスコートしよう。カフェに行くだけだけど。
本当は他のデートみたいな事をしたかったけど、所詮ただの友達だった。
駅に近いカフェは、すぐについてしまう。
「いらっしゃいませー何名様でしょうか?」
「二人です」
店内は花がたくさん飾ってあって、桜花さんはそれに見とれていた。僕すごく花に負けてる。でも負けてもいいくらい花を見ている桜花さんはかわいい。
「ランチ、何にしますか?」
「私は……サーモンとマリネのサンドイッチで」
ピザとかあったら分けれるのになぁ。
「僕はナポリタンにします。飲み物は?」
「カフェオレにします」
「僕も同じもので。店員さん呼びましょう」
料理を頼むと、すぐに出てきた。
たわいもない話をしながらご飯を食べて、桜花さんの笑顔がたくさん見れた。昼飯だけの約束だったので食べ進めるごとに、寂しくなった。もっと一緒にいたかった。
「もう、お会計しましょうか。奢ります」
カフェオレを飲み干してしまった僕に桜花さんが言った。普通は男の台詞だろう!
「いえ!割り勘にしましょう」
会計をして、そのまま店を出る。
さよならが言えなくて無言になってしまう。
「あの」
先に口を開いたのは桜花さんだった。
「夜ご飯もご一緒していいですか?」
「いいんですか?!」
「はい。でもお店のお買い物してからですけど」
「全然いいです!」
幸せすぎて心臓が爆発しそうだ。あと涙が出そう……!
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