地滑り

地滑りの気配がする

私の実体が

私の肉体を

嫌っているかのように

うまく自分が繋がらなくなる


どこかへ行こうとするが

どこにも行けないでいる

何かをしようとしても

すべきことが

であるか

わからない


わからない

ということ

わからない

ままにして

とりあえず

何か

しようとする


読みかけの本を開く

冷蔵庫からケーキを出して食べる

いつもの音楽を聴く

コーヒーを淹れる


私は

何かを

つかみそこねる

そこに

あるべきもの

それは


意味のない文字列

ぼそぼそするだけのケーキ

うるさいだけの歌声

味のしないコーヒー


そこから

立ち現れる

色のない世界



ここは閉ざされた家の中

なか

内側

そもそも何

あった?



実体

消去して

ショウキョ

して


外に出よう

きっと

誰かが待っている


色は

ついていても

いなくても

よい

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詩 習作 僕凸 @bokutotsu

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