もふもふ堪能中

目を覚ますと、黒猫さんの腕の中にいた。黒猫さんも一緒に寝てくれたみたいで、穏やかな寝息を立てている。


なんだか、雪の中にいたような夢を見た気が・・・でも、あれは自分視点じゃなかったから、夢じゃないのか・・・?


わからない。そう思ってラグワのしっぽをじっと見る。


ゆらゆら揺れてる2本のしっぽがときどき、ピクってするのがすごく面白い。


この光景を永遠に見ていられる自信がある。


『起きた?大丈夫?』


心配そうに聞いてくる、狼さん。


「だいじょうぶ。こんなにねるとおもってなかったけど」


空を見ると、昼間だったのに、もう真っ暗だ。


『うん。今はちょうど暗くなった頃ぐらい。また寝てもいいよ?もし敵が来ても、僕たちが負けるなんてありえないし』


『おい、その自信はおどおどするのがなくなってから言え』


鳥さんが空から降りてきて、狼さんにツッコむ。


『もう、おどおどしてないよ』


『時々しているだろう。あれはダサいから止めたほうがいい。見る方は、わらいをこらえるのに必死になってしまうからな。くくくっ』


「そんなにおもしろいの?」


『ああ、あれは芸と言ってもいいほどだ』


「いいなぁ。ぼくもみてみたい」


『ほら、見せてやったらどうだ』


『ほんとうにやめて・・・』


どうやら、狼さんは鳥さんには敵わないみたいだ。


『すこし、散歩しよう』


鳥さんがそう言うと、ぼくの体がふわっと浮いた。


「うわわ!なにこれ?」


『風魔法。絶妙な加減で、ちづきを持ち上げてるんだ。鳥さんの特技だよ』


ルフラがしっかりと説明してくれる。


「すごいね」


『さすがに、落とせないからな。おい、クッションになれ』


と、鳥さんが狼さんを浮かして、僕の方に持ってきた。


い、いや。クッションって?


混乱しているうちに、狼さんの背中に乗せられた。そして、一緒に上昇していく。


「うわあ!ど、どこにいくの?」


『そうだな、少し、森全体を見てみろ。気に入った場所や、気になった場所があれば、明日はそこに行くつもりだ』


森はずっと続いていて、終わりがなかった。


どこを見回しても、森、森、森。


この中から気に入った場所見つけろって言われてもなあ・・・。


『なら、明日は森を歩くか』


『それは楽しそう!』


「たのしそうだね!」


そのあとは、浮いたままで狼さんと鳥さんと一緒に話をした。すごい楽しかった。


降ろしてもらったあとは、鳥さんの頭をなでた。嬉しそうに目を細めてすり寄ってきてくれて嬉しかった。


狼さんに毛布代わりになってもらって、一緒に寝た。すっごい寝れた。温もりがあると、とても安心できる。

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