???
???視点
二人の子供は銀河の世界に囲まれて、白い息を吐いている。
きちんとした防寒をしていて、ぷくぷくの体が可愛らしい。
「うわあー!すごいね、お母さん!」
「そうね。でも、私は忙しいの。ここで遊んでて。あと、笑わないで。気持ち悪いのよ。そんなにきれいな顔で愛想ばっかり振りまかずに、無言で冷徹を貫き通すの。お父さんみたいに。あなたはお父さんのクローンなのだから」
女は冷たい声で子供に伝えて、豪華な家の中に入っていった。
「はい・・・。行ってきます・・・」
四歳らしき男の子は1歳ぐらいの弟を連れて、母親から離れていった。
いいな。この関係性は面白い。見守ってやる。
弟は兄のほうが好きらしく、にいちゃっ、にいちゃっと兄の泣きそうな顔を小さな手で拭ってあげている。
拭っていると言っても、子供のことだ。力加減がわからず、兄の拭われた箇所が真っ赤になっている。
遠目に見ても痛そうだ。
それでも、兄はおかしすぎる、と笑っていた。
なぜ笑う・・・?やはり、人間は意味がわからない。痛いだけだろう、そんなことをしても。
兄は、弟を抱きしめて、ありがとう、と連呼していた。
幸せそうだ。
そして、兄は弟の重さに耐えきれす、雪に突っ込んだ。
そして、雪は深かったらしく、二人を飲み込んだ。
見えぬ・・・しかたない、透視を使うか。
どうしようもなくこの兄弟のことが気になってしまう。
雪の中に埋まった二人は、空洞にいた。どうやら下には巣があったらしい。
運よく、そこに転がり込んだ二人は、無傷だった。
しかし、兄は白い狐と目が合ってしまい、腰が抜けている。
兄の腕の中にいる弟はキャッキャッとはしゃぎ、白い狐に手を伸ばしている。
白い狐は弟の手に擦り寄り、きゅーんと甘い声を出した。
ほう、人間にすり寄るとは・・・面白い。あやつが死んだらこっちに引っ張ってやろう。
兄は、恐怖で失神したらしい。
ちょうどいい。兄弟を巣から出し、女が入っていった家の前に置いた。
狐にも忠告しておく。そこの巣は熊の巣だ。熊が起き出す前に逃げろ。
そう言うと、狐は兎のごとく逃げ出した。
つまらん。向かっていけばいいものを。
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