23話『処沢大学附属高等学校言論部』
「マドウ ノゾミ。彼も、ボクたちと同じく、言論部の部員なんだ。処沢大学附属のね。そして、ノゾミとボクは、今となってはお互いに部長。こまめに連絡を取るような仲だよ。まあいわゆる、友達でもあり、ライバルでもあるって関係かな」
穏やかに説明したザイツに、またも、マキノが質問を投げかける。
「あの、その……その、マドウ、さん、今年も、大会に……? 」
「いや、今年は出ないって言ってたよ。部長になったからには、他の部員のサポートに徹したいんだって。その代わり、今回は特別な大会になるって言ってたよ」
「特別な大会? 」
俺が聞き返すと、「うん」とザイツがうなずいた。
「なんか、ビッグな新入部員を獲得したって言ってたね」
「ビッグな新入部員? 」
今度はミソノイが繰り返す。
「うん。
「うわ、なにその化け
ミソノイが思わず悲鳴を上げる。大会に興味の無い俺ですら、自分で顔が引き攣ってるのが分かるくらいだ。
そんな俺らの反応に気がついたのだろう。ザイツは俺とミソノイ、マキノの目をゆっくり、順番に見つめると、不気味に口角を吊り上げ、「それに──」と続けた。
「それに今回も、あの
「ホヅミ シブキ? 」
名前を繰り返す俺に答えたのは、ソファ中央に座るクライシだった。
「沢大の現生徒会長で、言論部副部長のヤツ。こいつマジで厄介なんだよ。イケメンだし、女子からモテまくるし。それによお、去年なんて、表彰台、全部
「俳優さん、なんですか? 」
クライシの言葉に、マキノが目を丸くする。それをザイツが笑った。
「二枚目俳優っていうのは、あだ名だよ。マサハルなりの皮肉を込めたね。でもまあ、イケメンってところに変わりないよ。彼、確かに老若男女問わずファンが多いしね。でも、そのカリスマ性が、彼の最大の武器でもある」
「とにかく、そのふたりが見所ってことですね。ホヅミ シブキとカサイ オリ」
「うん、気にしておいて損は無いと思うよ。特に、カサイ オリって子に関しては」
青のパトス─あかねヶ丘高校言論部─ サトウ サコ @SAKO_SATO
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