彼女の頼み
ルナさんが治療室から出てきた。魔法による治療のおかげか、傷つけられた肌もすっかり綺麗になっていた。
「ルナさんもう大丈夫?どこか痛みが残ってたりしないか?」
彼女は俺の言葉に笑顔で頷く。
「ありがとう。もうすっかり良くなったわ!あと、多分私の方が年下だから呼び方はルナでいいわよ?あと敬語も無しで。」
「わかった、ルナ。それじゃあ俺のこともクロスと呼んでくれて構わない。」
「うん。よろしくね、クロス!それと助けてくれてありがとう!」
そう言って歳相応の笑顔を見せたルナにつられて、俺も自然と頬が緩む。
「そういえばクロスは討伐者になりたてなのよね?この後どうするつもり?」
ルナが尋ねてくる。
「そうだな...今日はもう日が暮れるからどこかの宿に泊まって、明日から仲間を探そうかと考えているんだ。」
「そうなのね!なら私が泊まってる宿を紹介するわ。食事付きで快適なのよ?」
「それはありがたい!今から探すのは正直億劫だったんだ。お願いしよう。」
そうして俺たちは早速宿へと向かった。
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とりあえず一週間ほど滞在する旨を伝え、手続きを済ませた俺たちは夕食をとっていた。
俺は向かい側で料理をつついているルナを見やる。
改めて見ると本当にルナは美人だ。赤い髪と可愛らしい猫耳。そして透き通るような白い肌をしている。上半身に革鎧と籠手、下半身に膝上までしかない短い革鎧と脛当てを纏ったその体は、程よく引き締まっている。
「そんなにジロジロ見られると恥ずかしいんだけど...」
頬を赤らめたルナがジト目で睨んでくる。
「...はっ!?すまない。不躾だった!鍛えていた影響でどうも他人の筋肉にまで目がいってしまうんだ。」
「そ、そうなんだ。というか獣人の攻撃に耐える人間なんて私初めて見たわよ!?どんな鍛え方をしたらああなるのかしら...って違うそうじゃなくて!私、クロスにお願いがあるの。」
そこで一度呼吸を整えたルナは表情を引き締める。
「私とパーティーを組んでほしいの!」
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