弱点を乗り越える逆転の発想
父さんと約束した翌日から、剣術の鍛錬を始めた俺だが、剣士としては致命的な弱点を抱えていることが判明した。
なんと俺は...戦闘に関するセンスがほぼ皆無といってよいほどお粗末だったのだ!
簡単に言うと、相手の動きを読んだり、フェイントをかけるなどの駆け引きがまるでダメ。
魔物は知能が発達している個体も数多く存在し、ダンジョン内では殆どがそれに該当すると言われている。だからこそ俺の戦闘センスの無さは悲劇的とも言えた。
しかし、前向きな心を持つと約束した俺は折れそうな心を捻じ伏せて、俺に出来ることを考えた。
そして気付いた。センスが無ければ肉体のスペックでゴリ押しすればよいのでは?と。
いわゆる脳筋的な発想である。
俺はそれから毎日、鋼の肉体と強靭な足腰を作るために、父さん考案の壮絶な筋力トレーニングと走り込みを欠かさず取り組んだ。
筋肉痛は日常茶飯事で、時には限界を超えて負荷のかかった体が高熱に侵されることもあった。
自らの才能の無さを嘆き、落ち込んだときもある。それでも俺はこの現状を前向きに捉えることを心がけ、ただ自分を信じた。
「俺は強くなれないわけじゃない。才能が足りないなら、努力で補えばいいだけだ!」
そうして細身ながらも凝縮されて鎧のようになった筋肉と、ビクともしない足腰を手に入れた俺は、17歳になっていた。
魔王討伐を志してから10年以上が経過していた。
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