夏に恋なんて熱くるしいです

ep.22「モテるんすか？やっぱりかわいいし、綺麗だし」

物理準備室―――

「今日は宮地先輩いないんですか？」

「んー今日はね、文化祭実行委員の集まりかなぁ」

「宮地学級委員だもんなぁ、しばらくは忙しいかもなぁ」

「ふーーーーん」

「さては、なつみん、寂しそうだね～」

「そりゃあねぇ・・・」

「なつみん、そろそろ手はだしたの？どうなの？男だしたの？」

「いや・・まぁそりゃ・・ねぇ、手は、出してないというか・・・」

「え、もしかしてなにもしてないの？」

「まだ付き合ってもないですからね」

「そうだけどさぁ、強引さも必要だよ？押しが大事！じゃないとあずちん誰かにとられちゃうよ～」

「それなんですけど、実際宮地先輩ってモテるんすか？やっぱりかわいいし、綺麗だし・・」

「そりゃまぁモテるよ～？2年にあがってからも何人かに告られてた気がする。3年の先輩とかも」

「まじすか・・」

「あの子意外と年上にモテる感じだもんねぇ、元カレもそうだし・・・」

「え？」

「あ、ごめんごめん、なつみんは聞きたくないか」

「いや・・え、先輩年上と付き合ってたことあるんですか？」

「そうなのよ・・中学のときだけどね、あんまりいい思い出じゃないと思うけど」

「そうなんすか・・・学校の先輩すか？」

「うん・・・中学生ではなかったけど・・」

「え、まじっすか・・・」

「ちなみになつみん、童貞なんだっけ？あれってまじ？」

「ネタに見えますか？」

「ははっ見えないね」

「え、その流れで行くと、もしかして宮地先輩って、経験ある感じですか？その人と・・」

「年上男性と付き合ってたしね、そりゃすることするよ～

なんかあずちんのこと純粋でうぶな女の子だと思ってるみたいだけど、意外と恋多き女の子なんだからね？」

「多き・・」

「付き合ったのはその人だけっぽいけどね」

「ちょ・・まじで想定はしてたけど・・落ち込むもんですね」

「少年よ、大事なのは今だよ。押せ、押すんだ。気持ちを伝えるんだ！」

「気持ちならめちゃくちゃ伝えてるんですけどね・・・」

「そうだった」

「結構厳しいなぁ」

「まぁまぁ元気出せって！どうする？このあとパンケーキでも食べに行く？先輩がおごってやろうか？」

「いや、いいっす」

「え～なんでさ～」

実行委員の会議が終わって、教室に戻る途中、宮内くんが話しかけてきた。

「お疲れ宮地」

「お疲れ様です」

「文化祭なんか楽しくなりそうだね」

「そうですね。こういうお祭りごとは嫌いじゃないので、楽しみです」

「おぉ意外だね、面倒くさ～とか思ってるのかと思ったよ～」

「私をどんな人だと思ってるんです？」

「んーミステリアスだからね、全然わからん、でもうるさいのは嫌いかなぁって」

「好きですよ、自分が騒ぐのとは別ですが」

「ほうほう」

以前の一件があってから、彼とはよく話すようになったし、

彼は割と素で絡んでくる。

それが別に嫌でもないし、また一人友達が増えた気がしてうれしい。

「そういえば、文化祭、誰かと回るの？」

「はい・・おそらくみかちゃんと行くと思います」

「そっか、でも灰原ちゃん部活で模擬店だすよね、忙しくないのかな」

「その時は暇なので、実行委員の受付でも手伝いますよ」

「そっかそっか～」

「そちらはお友達がたくさんいるので、困らなくていいですね」

「いろんなところからオファーが来てやりくりにこまってるけどね」

「なんて贅沢な・・・どこにでもいい顔するからですよ」

「それは俺の長所だからね」

「なるほど？」

「じゃあさ、ちょっとだけでも、俺と一緒に回らない？」