ep.17「すでに相当我慢してる」



「なんでみなさん遅刻するんですか・・・」


「灰原は、部活が午後まで伸びたっぽいわ」


「夏見くんは・・?」


「知らん、寝坊じゃない?」


「藤宮先生は、今日は元々お仕事だったんですか?」


「んーまぁそう。大義名分?」


(仕事があってたまたま学校にきてます、そこにたまたま、宿題がわからない生徒(灰原美香)がきます、この状況なら夏休みに生徒の面倒を見るのは不自然じゃない状況です。)ということか。



「うわぁ・・最低教師・・ですね」



ガラガラガラ


「先輩ごめん!待たせて!」


「いえ、今来たところです。」


「宮地12時半には来てたよ」


「本当にごめん・・」


「いえ、無事でよかったです。」


「天使・・」


「人間です」


「みかさんは?」


「部活で遅れるそうです」


「え、じゃあ宿題片付け会じゃなくなるな・・」


「え、どうしてですか?」


「俺、宿題終わってるもん」


「なんだ遥も終わってんのかよ」


「終わってないみたいな雰囲気だしてたじゃないですか!」


「そう?でも終わってないなんて言ってないし」


「なんのために来たんでしょう」


「いいじゃんいいじゃん、はるとお茶とかジュースないの?」


「物理準備室だぞ?あるわけないだろ・・」






せっかくならみかさんにお会いしてから帰りましょうか


お友達と他愛もない話をするのも、楽しいということを知っている。




「はると、結局夏休み中にみかさんと会ったの?」


「あぁ・・内緒」


「え、教えろよ」


「うるせえそれ以上聞くな。俺の懲戒免職がかかってんだよ」


「先生、本気なのはわかりますが、身の程わきまえてくださいね」


「ははっ、先輩は追い打ちをかけるね」


「本当に思ってますから、大事にする気持ちはわかりますが、理性は絶対に保ってください、みかちゃんを傷つけないでください」


「わかってる・・これでも、真剣に思ってるし、すでに相当我慢してる」


「先輩は大事なひとを守るためには先生にだって怖気づかないんだね」


「男性の我慢ってどれくらいなのでしょう」


「「そりゃ相当なもんだよ?」」


それから1時間ほど、男性の理性について真剣に話をされた。



ガラガラガラ


「あずちんごめん~遅くなって・・」


「みかちゃん、お疲れ様です。」


「んじゃ宿題やるかぁ」










「みかちゃん、数学の問題集も残ってます・・」

「みかさん、これ1年の知識だけでも解けますよ・・?まじすか?」

「灰原、この1か月なにしてたんだ・・?」




「なにこれスパルタすぎぃ!!」




今日の1行日記。

夏休みもこうして、みんなに会えるのが、普通ではない感じがして、うれしかったです。


そして、今日も夏見君が生きていてくれて、うれしかったです。




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