ep.4「恋ってなんだと思います?」
次に日の朝、教室
自分の席に着いていると、友人の灰原美香が話しかけてきた。
「おはよう、あずちん」
「おはようございます。みかちゃん」
「今日は物理があるね!」
「うれしそうですね」
「当たり前だよ~合法的に藤宮先生のこと見てられるんだもん」
「先生とはいえ、みかちゃんにこんなに愛されるなんて幸せでしょうね」
「ふふ、あずちん買いかぶりすぎ!」
チャイムが鳴った。HRの時間だ。
美香ちゃんの藤宮先生への気持ちは「恋」だ。
禁断の関係かもしれないけど、「両想い」になるのを、応援している。
HR中は昨日の夏目遥との会話を思い出していた。
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「見惚れ・・?」
「うん、ひとめぼれ、的な?」
「勘違いだと思います。あと今日は二度目ましてです。」
「先輩細かい」
走っている姿にひとめぼれというのは、理解できなかった。
意味不明なのに、恥ずかしくて、それは必死に隠す。
「まだわかんないけどさ、少しでも俺のこと意識して、またここに来てくれたのかなって。そしたら、うれしい」
「それは、たまたま死ぬの止め・・・いや、死ぬのを邪魔してしまったが故に私を意識してしまった的な・・」
「恋」
「え?」
「恋したんだよ、先輩に」
彼のキャラはつかめない。
死にたがり、童貞、年下、生意気、素直、強引、
定まってほしい。
私のこと胸騒ぎも、早く治まってほしい。
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チャイムが鳴る。
物理の授業が終わった。
「今日の日直・・宮地か、放課後にノート準備室までもってきて~」
「はい」
今日の放課後は物理準備室だ。
「みかちゃん、藤宮先生のところにノート持っていくんですけど、一緒に行きませんか?」
「え!!行く!ありがとう!」
「失礼します」
「おお、宮地・・と灰原か。ご苦労さん~」
しばらく3人で他愛もない話をしていると、みかちゃんの携帯が鳴った。
「もしもし?ごめんごめん、すぐ行くから!」
「部活はじまる時間ですか?」
「うん!行ってくるね!先生!またね!」
そそくさと準備室から出ていった。
「元気だな~、あいつも」
「先生」
藤宮先生に話しかけたのは、たぶんきまぐれ。
でも、なにか、誰かに発したかったのかもしれない。
「どうした?」
「気付いてるんですよね?みかさんの気持ち」
「答えられない質問をするなばか~」
「恋ってなんだと思います?」
「それも難しい質問だな。好きな人でもできたか?」
「夏目遥くんと知り合いですよね?」
「おう意外な名前がでてきた。うん、いとこだよ。」
「友達の話なんですけど、」
「え、宮地の話だよね」
「夏目くんに告白されたらしくて、いや告白なのでしょうか?恋してる発言?どうなんでしょう・・」
「いとこの俺に絶対話しちゃだめだよねそれ、容赦ないね~
そんでもって宮地の話だよね」
「ちがいます」
「遥と知り合いだったの初耳なんだけど」
「その日は知り合って2日目でした」
「嘘だろ・・あいつ大胆だな」
先生はずっと楽しそうに笑っていた。
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