第20話 似合ってる

「私の分まで買ってくれてありがとう」」

「別にいいって、じゃあ帰るか。」

「そうね。帰ろう。」

「駅まで送っていく」

「ありがと」

「そういや、これ渡すんだった。誕生日おめでとう。」と翔はラッピングされた袋を渡してきた。

「え?なにこれ」

「開けてみ」そう言われて私は袋を開けた

「あっ!これって」

「あぁ、あの店にあったネックレスだ。気に入ってくれるといいんだけど」

「ありがとう、嬉しいわ。じゃあさ、つけて?」

「俺がか?」

「翔しかいないでしょ」

「はぁ・・・わかったよ」

そんな嫌がることないじゃない。

「翔?どう似合ってる~?」

「あぁ、似合ってる。」

「ほんと?」

「綺麗だ」

「あ、ありがと///」

まさか翔が私に『綺麗』と言ってくると思わなかったから、びっくりした。翔は私にはなぜか、『かわいい』とか『綺麗』など言わない。決まって『似合ってる』と言うのだ。だから翔が『似合ってる』ということには驚きもしなかったというのに。急に『綺麗』なんていうのは反則よ。本人はそんなこと気にしてないのか私に微笑みかけてくる。また歩き出す。やられたままなのは癪だったので仕返ししてやる。そう心に決めた

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