第19話 誕生日プレゼント?

「真理、待たせたな。」

「少し遅いんじゃない~」

「悪い悪い」

「それで翔はどれ読むの?」

「真理のお任せがいいな」

「なんとなくそうじゃないかと思ってた。じゃあ、あの推理小説にしよう」と私は最近話題の小説を指さした。

「ファンタジーじゃないんだ。」

「ファンタジー? 高校生の時はよく読んでたわ」

「知ってる」

「知ってる?」

「いや、知ってる本があるな~と」

「・・・」

「それよりこの本は?」

話をそらされた。

「まあいいわ」

基本的なあらすじを翔に紹介した。

「じゃあ翔にはこれ。」

「・・・は?」

「この小説はね、名前で損してる小説なの。」

「これじゃなきゃダメか・・・?」

「ダメよ!じゃあ、誕生日プレゼントはこれでいいわ」

「・・・嫌だと言ったら?」

「じゃあ、翔に誕生日を祝われなかったってみんなに言う」

「おい、それはずるいだろ」

「それで読んでくれるの?」

「・・・・俺に本を読ませることが誕生日プレゼントっておかしくないか?」

「少し変かもしれないけど、同じ話題で盛り上がれるのは嬉しいことなのよ!」

「分かった」

「分かってくれたのね。」

「じゃあ買ってくる」

翔は人ごみをかき分けレジに向かっていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る