第18話 遅めのランチタイム

   十数分後


「おなかすいたね」

「俺はどこでもいいぞ」

「じゃあ、すぐそこのフードコートで食べようか」

「いいね、そうしよう」

そして私達はフードコートへ行くことにした。

「人がいっぱい〜。席あるといいけど」

「真理は席とっててくれ。真理は何食べる?」

「分かったわ。私はたらこパスタ食べたい」

「じゃあ、買ってくる」

「うん!よろしく」

「おう。待ってて」


「お待たせ。ほらパスタ」と翔は私の前に置いてくれた。

「あ、ありがとう。いくらした?」

「580円くらいだったかな、これくらいおごる」

「さっきからおごってもらって悪いって」

「忘れたのか、今日誕生日だろ。」

「でも」

「気にすんな」

「・・・じゃあ、お言葉に甘えて」

「そうしとけ」

と私に向かって笑いながらそう言った。


「じゃあ、いただきます」

「おう。」

「翔はまたラーメン?」

「変か?」

「いや、よっぽど好きなんだなって」と私はスパゲッティを食べながら言った。

「男なら好きだろラーメン。」

「そういうもんなの?。」

「そういうもんだ。」

私はラーメンを嫌いではないけど、好き好んで食べようと思わない。聡君も好きなのかな。

「聡君も好きなの?」

「なんでそこで聡が出てくる?」

「だって『男なら好き』なんでしょラーメン?」

「あぁ、聡もよく食べてるよ」

翔が少し不機嫌そうだ。いくら翔でもデート中はよくなかったかな。

「ほら、食べ終わったら帰るぞ。」

「まだ早いって」

「じゃあどうする?」

「だったら最後に本屋に寄ってもいい?」

「ほんと昔から本好きだよな・・・。」

「昔から?」

「悪い、ちょっとトイレ行かせてくれ。先向かってていいから」

「わかった。本屋の前で待ってるから〜」

「もうナンパされんなよ。」

「分かってる!」

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