第10話 考えられる選択肢
これはまずいことになって来たかもしれない。
風邪で2日寝込むこともある。もしかしたら大事をとってという可能性も。
だが俺が話しかけたせいだったらどうする?
別に俺のことを嫌いになるくらいなら問題ないとは言えないがまぁいい。
だがこのまま学校に来なかったら?
親が学校に苦情→校長先生が事情を調査→時期的にも俺が何かをやったと勘ぐる
そうなれば俺の末路はどうなるだろうか。
1…俺のせいだとばれずにお咎めなし
2…俺のせいだとばれ退学
3…俺のせいかは分からないが失敗したので借金の話はなしになり自動的に退学
1がいいがこの学校の力があれば俺が最近河合さんに接触していたと裏が取れるだろう。同じ1年には見られてないにしても高学年の先輩方には見られていると思う。河合さんはまぁ目立つし俺もそこそこ目は引く方だからだ。
………………どうにかしなければ。
俺は急いで担任である佐々木先生の後を追い聞きに行った。
担任には休んでいる理由を連絡していると思ったからだ。
というより昨日そうしていればよかった。
何をやっていたんだ俺は。分からないならわかるやつに聞く。
当たり前のことじゃないか。
混乱して考えが及んでいなかった。
職員室にもうすぐ着こうというところで佐々木先生を見つけることが出来た。
「……すいません佐々木先生、ちょっとよろしいでしょうか?」
少し急いだため息が少し上がっていたため少し整えてから話しかける。
「渡会君どうかしましたか?」
「今日河合さんが休んでいると思うのですが休んでいるのは風邪だからですか?」
「河合さんですか……私は特に聞いていませんね」
確実に知っていはいるだろうと思っていたので佐々木先生の答えは予想外だった。
「担任の先生でも知らないんですか?」
「この学校の生徒さんは特殊な事情も多いですから基本的に理由に関しては聞いていませんよ」
なるほど。
ここは普通の学校ではないんだった。
普通の高校生が休むような理由以外にも休まなければいけないこともあるだろう。
いちいち聞いていてはきりがないということか。
「そうだったんですね」
「河合さんのことが心配なのですか?」
「えっ?まぁそんなところですかね」
「気にするほどのことではありませんよ。恐らく家庭の事象でしょうから。一時間目が始まりますから君も戻りなさい、遅れますよ」
そう言い残して佐々木先生は職員室へと入っていって行こうとしたその時佐々木先生は突然振り返った。
「あっ!そういえば東郷校長が渡会君に時間がある時に校長室に来て欲しいと伝言を頼まれていたんでした。渡会君、なるべく早く伺って下さいね」
「えっ」
最後に言い残したことの衝撃が凄い。
このタイミングでの招集……嫌な予感しかしなかった。
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