ぺっと

貴方は私に首輪をつける、それは貴方の家に私が来てからずっと。

まだ小さかった私に貴方は何度も何度も躾をした。

トイレの仕方、玩具の遊び方やご飯の食べ方から夜どうするかまでなんでも。

ある時貴方は私の首輪にリードをつけて外の世界へ連れて行ってくれた、とても美しい世界が広がっていた。

嬉しくなった私はその時何度も何度も一度でいいから私の首につながれているリードを外してほしいと懇願した。

貴方は私の事をその大きな手で優しく何度も何度も頭を撫で出てくれた、結局リードは外れはしなかったけれども貴方はこれからたびたび外に連れて行くと言ってくれた。

私はそれだけで十分満足だった。

私が15歳になった時あなたは初めて私の誕生日会を開いてくれた。

二人で過ごす誕生日、それはとても充実していて貴方は私にプレゼントや美味しい物をたくさんくれた。

プレゼントの中を開けると、そこには新しい首輪や新しい服、新しいリードなどいろんなものが入っていた。

本当に幸せなひと時だった。

ほどなくしてクリスマスが訪れた、私は貴方と過ごす初めてのクリスマスが楽しみで仕方がなかった。

私は貴方を喜ばせたくて玄関でずっと待っていた。

しばらくしてガチャリと扉の開く音がした、私は思いっきりあなたに飛びつき抱きしめた。

だけどそれは貴方ではなかった、顔を見るとそれは全く知らない女だった。

私は貴方を怒鳴りつけた、けれども貴方は悪びれもせず私の頭を撫でる。

イラついた私は女の手に思いっきり嚙みついた。

女は発狂し私を手を振り払おうとした、それでも噛むのをやめないでいると女は噛まれていない手で勢いよく私をたたいた。

真っ青な顔の貴方をよそにいがみあう私達、ほどなくしてさすがにまずいと思ったのか貴方は女を怒鳴り家から追い出した。

そして女が貴方の顔叩き怒鳴りながら出て行った、その後貴方は大きくため息をついて扉の前で考え込んでいた。

しばらくして貴方は私の元へ来てくれた、私を選んでくれたのね。

貴方は私を抱っこすると、投げ入れるように檻へ入れた。

なぜ?どうして?

私がいるのに女を連れ込んだ貴方が悪いのに、どうして私を檻に入れるの?

私は都合のいい女なの?

許せない、絶対に、、、、、

その後三日間、私は檻から出してもらえなかった。

私は女に殴られたとこが悪かったのだろう、歩くこと呼吸することも苦しくなっていた。

もうだめなのだろう、あれ以降貴方は私の事を見てくれない。

貴方気づいてくれているのだろうか、私の命がもうすぐ尽きることに、死んだら悲しんではくれるだろうか。

二日後とうとう私は倒れてしまった。

貴方は家に帰った時倒れている私を見て急いで車で病院に連れて行ってくれた、だけどもう間に合わない。

最後が貴方の隣で良かった。

ありがとうそしてさようなら、愛すべき人間ひとよ。

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