王道系告白はもはや邪道

蝉が五月蠅く咽び鳴く今日この頃、俺の手元に一通の手紙があった。

「先輩に大事なお話があります、放課後先輩の教室でまってます。  ~葉月菜那~」

これは今日の朝、ロッカーに入っていた手紙だ。

葉月菜那、風紀委員の後輩にして俺が好意を寄せている相手。

初めて葉月とあったのは高校二年生の春、気まぐれで入った風紀委員そこで出会い意気投合したまに遊びに行くような仲になり段々意識しだし気づいたら好きになっていた。

つまりこの手紙がロッカーにあるということは、、、、、

両想いキタコレ!!!!!!

と、ガッツポーズをしたいところではあるが俺は一つ焦っていることがある。

いやまぁちょぉっとやらかしたけどどうせばれてないし関係ないかぁ

しかし、まぁなぜ放課後俺の教室に呼び出すのだろうか、確かに今日の5・6時間目は特別授業でマラソン大会を二時間することになっているが関係あるのだろうか。

まぁとにかく放課後が楽しみだぜ、あぁ今まで仲間だと思っていたクラスの冴えない男子どもが哀れに見える!あぁこれが人生勝ち確ってやつか!マラソンも独走してしまいそうだすまんな非リア充ども!



~放課後~

ぜぇはぁぜぇはぁ、、、、

マラソンきつすぎだろ、マラソンとかマジあほじゃねぇの。

結局順位もパットしないしよぉ

ま、まぁ愚かな非リア充どもに花を持たせてやったに過ぎない俺の今日のメインはこの後だ!走って終わりのマラソンなどではなく高校いやその先の人生すらも共に走る恋と言う名のランナウェイ(意味は知らんが)を走らせてもらうぜ!

おっといかんいかん教室で待っている未来の嫁の元へ今このナイト、山塚帝都向かわせていただきます。

つっても俺の教室4階何だよな~エレベーターも壊れてるし階段で行くか、待たせるのも悪いし走るかマラソン後も走って向かうこの有り余るパワー、、、これがリア充すまんな非リア充ども!


ぜぇはぁぜぇはぁ、、、、、

いやマジ4階とかなめてるだろ。

ていうかよく考えたらおれジャージのままだけど大丈夫か汗だくだし、、、

臭くないかな、まぁいいか。

この扉を開けたら中に葉月が、うぅなんか緊張してきた。

「あ~先輩~もしかして待たせちゃいました?すいません終礼長引いちゃって。」

「ふぎゃ!!!」

思わず叫び声をあげちまったじゃねえか驚かせやがって、あぁかわいいから許す!

「で、話って何?」

「あ、それはここでは話せないことなので中で話しましょう鍵借りてきたんで。」

中は誰も使っていなかったからか、夏の蒸し暑さだけが存在した。

「暑いしエアコンつけるか。」

「いや、先輩それは大丈夫です!つけないでくださいもったいない!」

確かに二人だけなのにこんなだだっ広い教室の中でエアコンをつけるのはもったいないな、マメだなぁ葉月も。

「そだな、で話って?」

「ちょっと心の準備してもいいですか?」

「いくらでも待つぜ☆」

葉月も緊張しているのか、かわいいやつめ☆


~20分後~

まだですかぁぁぁぁぁぁぁ葉月さぁん!!!

先輩脱水症状で死んじゃうよ!まじで!!!

ジャージの中の体操服汗でびちゃびちゃすぎて多分絞ったらすごい汗でるよ!

そろそろ言おうよ!オッケーするよ食い気味で!

「ま、まだかなぁ葉月さん?」

「も、もうできます!あとちょっとあとちょっとですから」

「い、言いますよひかないでくださいよ!」

「こ、こい!」

「先輩!私に今着てる体操服を私に下さい!!」

「よろこんで!!!っっってええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」

「やっっっっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

はぁ?え、どゆこと?ワタシニホンゴワカラナイ。

つまり葉月が俺の体操服をえ?いや葉月が体操服で???え?

マジで意味が分からない、、、

困惑している俺をよそに満面の笑みを浮かべる葉月、俺にはもはやその笑顔が狂気にしか見えない。

「あ、先輩あとついでに付き合ってください。」

「あ、はいよろこんで、、っっっってええええええええええ!!!!!!!??????」

もうわけわかんないよ!先輩死んじゃうよ!いいの!?

俺の理想の告白図が音お立てて崩れ去るのがわかる。

ついでに付き合うって何??体操服メインなの???

「と、とりあえず俺の体操服を欲してる理由を教えてほしいな」

「わかりました、まず最初に驚かないで聞いてほしいんですけど私匂いフェチと汗フェチなんですよ」

「うんいや驚けないよ、、、さっきからそれ以上のことになってるからもうそっちで頭いっぱいだから体操服が欲しいのもなんとなく今ので察したから」

「じゃ、じゃ私がわざわざマラソンの日に呼び出したのもわざわざ2階の私の教室じゃなく先輩の教室に呼び出したのもエアコンのせいで汗がひいちゃうのが嫌でエアコンつけないでって言った事も心の準備って体で先輩から流れる宝石のような汗を鑑賞していたことも察してくれたんですね!」

え、いやそういうことだったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!

誰がそこまで察せるんだよ!つか今思うと結構ハードな変態じゃねえかよ!!

「じゃ、じゃあ早速その汗のしみ込んだ体操服下さい!」

「いや無理だろぉぉぉぉ!!」

「さっきよろこんでって言ってましたよね!!」

「いや告白だと思うじゃんあんなん!」

「告白じゃないですか!私結構勇気出したんですよ!

「じゃあ先輩がそんなこと言うなら、、」

葉月がスマホの画面を俺をに見せつける、そこには俺が葉月の体操服を盗る姿が写っている。

「これ、、、ばらまきますよ」

「おまッッそれっっっ!?!?!?」

この写真は本物だ、確かに俺は葉月のタオルを盗った。


その日は体育で大量の汗をかきタオルで拭こうと思ったが教室に忘れ取りにとり戻った、タオルは俺の机の上になぜか投げ出されるような形でおいてありなぜか新品のようにきれいだなと思った。

そしてその場でタオルを使用していると名前を書く欄がおれの目に映し出された、そこには『はつき なな』ひらがなで枠いっぱいにでかでかと書いてあった。

焦った俺はそのまま勢いよくカバンの中に入れたそしてそれを返すのを忘れそのまま持ち帰ってしまった。

まさか、罠だったとは。

いやまぁよく考えればおかしいってことぐらいすぐわかるけどさぁ、好きな子のタオルってなるとちょっとさぁ。

「ちなみにあれは新品です」

「知らねえよ!つか俺はめられたのかよ!」

「ばらまかれたくなかったら、、わかりますよね先輩いや彼氏さん?」

「これは、、、これは俺の求めてたリア充じゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

教室の中で響く俺の心からの叫びが響き渡る中、俺と葉月の普通とはいいがたい交際がこうして幕をあけた。


~Fin~

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