第2話
「アル…頭を切り替えろ、でなければ死ぬ。」
この状況で考え事などしていれば死ぬ。今後の事を考える為にも今は目の前の事に集中するために、アルにも、そして自分にも言い聞かせる。
「とっくに切り替えています」
相棒から返事がくる。
「ならばよし!行くぞ!」
「ラージャ!」
くそ!あっという間に1機…
「0時方向敵AS、1!」
「M9か?!」
仲間からの通信が聞こえた
「確認できない!」
そう返事をするが、
「うわぁぁぁ!」
また1機やられた
「孤立するな!囲い込むぞ!」
リーダー格の奴が言う。だが
「速くてロックできない!」
「右だ右!」
「落ち着つけ!敵はたった1機だ!」
「そっちだぁ!」
この会話の中でまた2機やられた。
ということは……
「あとは俺だけ?クッソォ!」
だんだんと正気が保てなってくる
森の木々を薙ぎ倒しながら近づいてくる白いAS
「ク…ウゥ」
緑色に光るデュアル・アイがどうしようもなく怖い
「あ…あぁ……う、」
そしてついに
「うわぁぁぁぁぁ!!」
叫びながらトリガーに指を掛けようとした瞬間、俺の意識は消えていった
「やったか」
無事サベージを倒した。正直今の自分がこんなにできると思わなかった
体が覚えているのだろうか?
「軍曹、ヤツです」
考えているとアルが何かいると言ってきた……ヤツ?
心当たりがなかったのでモニターを見ると
「?……っ、コイツは!」
"それ"を見た瞬間、反射的に機体を後退させる。
直後目の前で爆発が起き追撃弾がくる
「くぅ!コイツはぁ!」
ギリギリで横に避け装備しているボクサーで反撃する。
1発目は脇を通り抜け2発目はポニーテール状の放熱索を抜ける
更に反撃が2発来るが森の中に入り小さいへこみに機体を隠す
「よくかわしたな、カシム」
「忘れていた、コイツがいるんだったな!アル、ラムダ・ドライバの準備を!」
確かこの機体にはあるハズ…
「すでに完了しています」
「よし!相変わらず気の利くヤツだ」
素直に感謝する
「光栄です軍曹。たっぷりと驚かせてやりますか?」
「当たり前だ!俺達はなんのためにいる?!」
お前なら答えられるハズだ!
「クソ野郎共を困らせるためです軍曹。派手にいきましょう!」
その声と共に背部の放熱板が展開し、同時に飛び出す。
「ガァァァウルゥゥゥン!」
気合いを入れるために雄叫びをあげる。
「空に飛び出して来るなんてな、いい的だぜ!カァシムゥゥ!」
ガウルンがグレード弾を撃ってくる
それを止める!そうイメージすると見えない壁がグレード弾を空中で止める。止まったグレネード掴みそのまま投げ返す。
「何いぃ!」
だがガウルンも流石、咄嗟にライフルを盾にしグレネードの直撃を防ぐ
「やはりデタラメな装置だな」
グレネードを掴むだけならまだしも
爆発さえも止めることはいくら誰でもできはしない。
「私はそれを80年のブランクがある貴方がしっかりと使える事の方がデタラメに思えます」
アルが当然の疑問を抱く
「さあな、俺もこんなに使えるとは思っていなかった…ホントにデタラメだな」
後で大佐か千鳥にでも相談してみるか。
「驚いたぜぇカシムぅ」
!そうだ、ヤツもラムダ・ドライバをもっていたな…
「ウィスパードを守っていた連中だ持っていてもおかしくはない。
それはいい。けどよぉ
お前が使えるなんてなぁ
フハハハ!うれしいぜぇ!」
そう言うとヤツ……ガウルンは
単分子カッターを取り出し
迫ってくる。
こちらも頭部のハードポイントから
ダガーを解放し手に持つと
ラムダ・ドライバの力場を刃に纏わせつばぜり合いをする
「これで対等な条件で戦えるわけだぁ、これ程嬉しい事はないぜ
カァァァァァシィィムゥゥゥゥ!」
「相変わらず!うるさいな!おまえ
はぁぁ!」
切り合いながら憎悪と殺気を込めていい放つ
「ハハハハ!良い殺気だぜ、カシムゥ、それでこそだぁ!」
「黙れ!今すぐにその口を利けないようにしてやる!」
「出来るかなぁ?こいよ、やって見せろよぉ!カシム!」
そこまで言うのなら…
「なら、やってやる!お望みの通りにな!」
まず力場でガウルンを吹き飛ばし、
それを追撃、体当たりして岩場に固定する。
「ガウルン!手本を見せてやる!
よく見ておけ!」
逆戻り前にコイツにやられた事をコイツにやってやる!
「あまり気は進まないが!」
アーバレストの手を指鉄砲の形にして
気持ち悪いクソ野郎にやったように
波動を発生させるイメージを固め
「うぉぉぉぉぉぉ!」
その声と共に指先から、薄く青白い
光が溢れだしガウルンとその機体を飲み込んでいく。
そして激しい爆発がおこり目の前が眩しくなるが、後ろを向き歩き出す。
爆炎を抜けた先に見えるのは
木々の影からこちらを驚いた目で見つめる人影が2人クルツ・ウェーバーと、さg…千鳥かなめだ
段々と近づいて行き2人にてを伸ばす
「ソースケ…お前…」
「相良君…」
2人が至って普通な反応を見せてくるが今は説明している時間はない
「2人には、後で説明する!今は乗ってくれ!時間がない!」
そう言うとおとなしく手に乗ってくれた。そのまま走りだし木々の間の抜け開けた場所にでる。
「ぅ、ったく、ケガ人運搬には世界一不向きな乗り物だぜ、こりゃ!」クルツはそう言うが
「一々文句を言うな」
今はかなめだ
「かなめ、大丈夫か?」
「うん!前よりは!て言うか人の事いつから名前で読んでいいなんて言ったわけ?!」
「10時方向、敵戦闘ヘリを確認」
邪魔!
「チェーンガンを行使!」
「ラージャ」
頭部の12.7mチェーンガンが発射され戦闘ヘリを蜂の巣にした。
「ホッ」
かなめが息をつくそして
「ン"ン"…それで、いつかr..」
「かなめちゃーん、今はそんな事話してる暇はなさそうだぜ。」
クルツの言葉に後ろを向く
「うわぁ海って…えぇ…」
「盛大なお見送りだ」
どうする…前より早くガウルンが片付いてしまったからダナンがくるまでまだ少し時間がある。
「クソッ、どうするか」
「もう一度ラムダ・ドライバを使いますか?」
「バカっ!今は手本に人かいる!戦える訳ないだろう!」
「別に手本が動かなくてもラムダ・ドライバは武器になりますよ。」
「そんなこ「出来ます。軍曹なら。」
…………どうやら、えらく信頼されているらしい………そうだな、俺はかなめを…皆を守って…あいつらを、徹底的に困らせる為にいるんだ!俺は、俺達は!
「やってやるぞ!」
「ラージャ!」
再び背部の放熱板が展開され背中に光の粒子が舞い始める
「なんだぁ!またあの光!」
クルツが叫ぶ
「これ…がラム…ダ……ド……ライ……バ、うぅ…」
「かなめちゃん!大丈夫か!かなめちゃん!」
ウィスパードの囁きか!
すまないかなめ、少しの間我慢していてくれ!
敵を吹き飛ばし消滅させる。光の、光の剣で、薙ぎ払う。守るために!
「行けぇ!」
そのイメージと共に走り出す
アーバレストを中心に発っせられる
光の波が目の前の敵を消滅させて行く。
「ウルズ7!まっすぐ走れ!」
通信でウルズ2の、マオの声が聞こえる。
来てくれたか!
「ソースケ、チャンスは一度きりよ!岬の先端から直接飛んで!」
よし!これで..
瞬間、先端が崩れ落ちる
「しまった!力場のせいで!」
強い力場をラムダ・ドライバで発っしたが故にその衝撃が加わり地面が弱くなっていたのだ。しかも岬の先端、はしっこだ
「うわぁ、おぃぃ!ソースケェェ!」
叫ぶクルツ
「そんな…ここで、死ぬの?あたし…」
絶望するかなめ
「あぁ…ソースケ」
最初に助けられなかった事を後悔するマオ
「相良さん!」
トゥアハー・デ・ダナンの発令所で絶叫するテッサ
クソォ、俺は、俺は!俺はぁ!
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
そこで起きた事は誰にも想像出来ないことだった
なぜらなば
本来ASは
空を飛ぶ事など出来ないのだから
「大丈夫でしたか?軍曹殿?」
あ…………る…………?
「このままトゥアハー・デ・ダナンへ帰還します。」
そう……か…
「お前も、"人間"だったな…」
「Yes, Sargent」
アルが昔の、それこそ最初の頃のよ
うに言う
「なんだ、お前も皆と同じか?」
「いぇ、たまには昔を思い出すのも良い事だと。」
「そうだな」
そうしてダナンの上へと降り立つ
「う、ウルズ7を回収。第4ハッチから収容を…完了」
「第4ハッチ閉鎖開始。あと2秒
……………閉鎖完了」
「面舵いっぱい、震度205、最大戦速」
「アイアイ、マム面舵いっぱい、震度205最大戦速」
トゥアハー・デ・ダナン格納庫
この事をどう大佐に説明するか……
コツコツコツ
足音…だれだ?
「思ったよりは酷くないな」
カリーニン少佐か……
アーバレストに向きなおる
そのまま2分程がたった
「……何か聞かないのか?この機体の事を」
決めた
「カリーニン少佐、折り入ってお願いがあります。」
「…何かね?」
ここで、これからの為にも言っておくべきだ!
「自分とアル、カリーニン少佐、そして、テスタロッサ大佐の4人で大切なお話をさせて貰えないでしょうか」
無理か?………
「いつが良い?」
よし!
「出来れば、今直ぐにです!」
どうだ……頼む!少佐…
「…………ふむ、直ぐには無理だが1.2時間後辺りでも良いか?その時に呼ぶ」
やった!これで…
「ハッ!ありがとうございます!
それでは!」
「あいつのあんな目は久しぶりに見たな…なにがあった、ソースケ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
今回結構長くなってしまっているので何かおかしい所があれば指摘していただけるとありがたいです。
感想や評価付けて貰えるとうれしいです。
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