第三十話 奇策
「何!?」
「さて、どうしてでしょう?」
悠然と
「
自力で瓦礫を押しのけて出てきた
「今度はあなたですね!」
「今日はあの手は出さないのですか? もっとちゃんと見せてくださいよ」
「そんなに見たいなら見せてやるよ!!」
ギィイイイン
再び幻物質同士の衝突音が響いた。八角形の面を有した膜状の幻物質が
「ちっ! 光線放つだけじゃねぇのかよ」
忌々しさを隠さず舌打ちをしながら、なおも
「なるほどな。お前の力は攻撃と防御の同時展開は無理ってことか」
矛である光線と盾である被膜を同時に操る事は、
「そんじゃ、力比べといくか? 俺の攻撃とお前の防御、どっちが強いかをな!」
いうが早いか六本の巨腕が
「こうなっては仕方ありませんね」
諦めたかにみえた
「何するつもりか知らねえが、ここまで来たら!」
バリィンッ
迫りくる被膜のヒビを狙った
「これで終わりだ!」
被膜に殴りかかっていた巨腕が
「がっ!!」
しかし、攻撃を受けたのは
「惜しかったですね。ですが、まだまだ甘い」
巨腕に殴り潰された車椅子。そこからギリギリで跳び退いた
「チェックメイトですよ」
再び作り出された八角形の立体から放たれた光線が未だに片膝をついた
「惜しかったな」
直前まで
「俺だって、幻物質の腕を盾にする事くらい出来るんだよ」
「あなたの独壇場もここまでよ」
瓦礫から這い出していた
「成長したな、
「いってぇ!」
後ろから現れた
「俺、褒められたんだよな!?」
「さて、あとはいろいろとどうやって吐かせるかだけど」
「私がやる」
聞こえてきた声に、三人が驚きに目を見張りつつ声の方を振り向いた。
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