第二十九話 再来
ドアノブに手をかけた
「くっ……」
突然の爆風と粉塵に襲われた四人だったが何とか体勢を立て直し、幻物質での空間把握を利用して粉塵の外へと抜け出した。お互いの無事を確認し、全員で背を預け合う様に狭い通路の四方八方に警戒の目を向ける。
「おい、今のって」
「静かに」
粉塵の中から聞こえてくる音に気付いた
「お前は……っ!!」
「お久しぶりです、みなさん。おや? 一人足りないようですが?」
予想通りの反応を得られて愉悦に歪む顔を隠す気もなく喋るその様は、まさしくあの時議場で会った
「何故、生きて……」
「何故でしょうねぇ。くつくつくつ」
「いうなれば私が化け物だからでしょうかね」
あの時の
「ぐっ……」
狭い通路での複数の爆発。その衝撃は凄まじく、四人は散り散りに壁を突き破った先で瓦礫に埋もれている。
「くつくつ、やはり素晴らしいですね!」
爆発による粉塵がおさまり、壁の崩壊で広くなった通路で一人、
「お前も、幻物質を……!」
「おかげさまで。能力値はあなた方と同等、あるいはそれ以上かもしれません!!」
高らかに宣言する
「戯けたことを。今度こそ息の根を止めてやる」
瓦礫から這い出した
「原理がわかれば対処も出来る。同じ手は食らわない!」
「それはお互い様かと」
複数の粒子が狙いを定めるように
「ちっ」
周辺の幻物質全てを吹き飛ばされた
(これで
攻撃の隙を突いた
ギィイイイン
聞き馴染みの強い、幻物質同士の衝突音に
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