第二十七話 要求
応接室に入った
「へぇ、なるほど?」
興味深いと言いたげな笑みを浮かべた
「今会えるのはこいつだけだ」
「お久しぶりですね、
「やっぱりあんたは食えないやつだったか」
「まぁ、そう言わずに。きっとあなた方にとっても悪い話ではないと思うんですよね」
にこにこと人のいい笑みを浮かべながらも
「ファントムと呼ばれていたあの子供達。彼らの今の居場所、知りたくないですか?」
「もちろん、タダでとはいきません。タダより高いものもないですしね。……私の要求はこの件に関わっている政治家全てを白日の下に晒し、政治家生命を終わらせて欲しいのです」
「てっきり自分を総理に押し上げてくれ。とかいうのかと思ってたが違うんだな」
提示された要求に思わず
「今の腐敗しきった政治基盤をどうにか出来れば、総理には自力でなれますので」
「だ、そうだ。どうする?」
自信満々な
「そちらの出す情報が確かだという証明はどうやってするんだ?」
「そこの
「俺?」
「君達がここにいるのを突き止めてくれたの、実はつつじくんなんですよ。子供達の居場所に関しても、ね?」
「そういう事か」
「その人、あんたの子飼いの武闘派諜報員かなんかだろ?」
「正確には御庭番の流れを汲む、現代の忍びです」
「なるほどな。通りで気配が薄い訳だ」
「私の気配はそんなに薄いですか?」
おずおずと不安そうに問い掛けられた内容は
「そこまでではないよ。そういった職種ならありがちなことだ」
「そうですか」
つつじは少しほっとしたようで安堵を込めて呟く。話の区切りがついた所で、
「いかがでしょうか。この提案、飲んでいただけますか?」
「……いいだろう」
顎を右手でさすりながら思案顔をしていた
「ありがとうございます。つつじ、あれを」
笑顔でお礼を述べる
「私の力でわかる範囲のあの子達の情報と、現在地です。国外に出ている子達に関しては大まかな国と地域だけになりますが……」
「ふむ」
「国外って、まさか!!」
何かに気付いた
「説明しろ、
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