第二十六話 来訪
本部に帰投した四組だったが、手痛い傷を負った
「私がついていながら、ごめんなさい」
「
「こうなったのは
「
「今回の件のブリーフィングだけでもしとくか?」
「お互い報告することは山ほどありそうだしな」
場所をミーティングルームに移し、
「俺のところにいたのは機械で繋がれた元子供達だった。誰一人まともに生きちゃいなかったがな」
忌々しいと言いたげな
「俺のところも同じようものだ。もっとも
よほどの物を見たのだろう。心なしか
「俺は恐らく当たりだった」
「ただし、もぬけの殻だった。警戒して移動したのか、あるいは情報が漏れたか……」
思案顔の
「でかい組織だからな。裏切り者がいても不思議じゃないが、その線は低いだろうな」
「なぜそう言いきれる?」
裏切り者の可能性はほとんどないとでもいうような
「国会乱入が一応は成功に終わっているからな。
「確かに。手を打つならもっと早くしているか」
「身内が問題ないなら、あとは移動先だろ? 他に宛はないのかよ?」
「そうは言われてもなぁ……」
コンコンッ
顎をさすって
「失礼します。
「ここにか? そりゃまた妙だな」
「相手は先日の乱入時に現場にいた、身元が確かな国会議員です」
取次が続けた言葉でその場に衝撃が走った。
「……
しばしの思案の後に、
「了解した」
「仕方ないわね」
「ちっ。適材適所ってやつかよ」
異論のない二人に対して、不服そうな
「いいのか? 俺は一応面が割れてるが……」
「念の為ってやつだな」
そういって
「なんかあったら頼むな」
「了解」
応接室から少し離れた廊下で
軽いノックの後に、
「こんな辺鄙な所までわざわざご足労いただいて……」
「いえ、唐突の訪問で失礼いたしました。国会議員を務めています、
「一応ここの責任者をしている、
「いえいえ、まだまだみなさんに支えていただいているばかりで……」
形式的な会話を表面上にこやかに交わしていた二人だったが、次の瞬間
「で? そんな議員さんがわざわざこんな所まで何の用で? 警察が一緒じゃないってことは、個人的な用件でしょう?」
「ははは、さすがに鋭いですね。ですが、その話をする前に彼らに合わせてもらえますか?」
「彼らとは、誰のことで?」
察しがついているのを気付かれぬよう、
「変革者と名乗っていた、
ほんの数秒。しかしそれ以上に長く感じる沈黙下の睨み合いの後に、
「ふぅ……。
思いの外早く呼ばれ、やれやれといった表情を浮かべながらイヤホンを仕舞うと
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