第二十三話 庇護
談話室を飛び出した
「どういうことだ!!
ノックもなくドアを開け放した
「騒々しいな、何があった?」
「アッシーウの事、知らない訳ないよな?」
「その事か……」
今にも
「……気付いた時には手遅れだった。今言えるのはそれだけだ」
「どういうことか説明しろ!!」
「お前こそどうした? いつになく感情的だが、五号の記憶に触発されたか?」
カッと一瞬で沸点を越えて逆に冷静になったのだろう。押さえ込んでいた
「触発か……。そうかもしれないな。だが、説明はしてもらう」
「それはできない」
「だったら、俺は一人ででもあの国へ行く。何が起きたのかを知るために」
来た時とは打って変わって
「放っておいていいの?」
その背を見送りながら、疲れた様子の
「構わない。どうせ何も出来やしないんだ」
それだけ言って背を向けた
あれから数日。
コンコンッ
暗く、静かな部屋に控えめなノックの音が響く。
「何だ」
振り向くこともなく応じると、ノックと同じく静かにドアが開かれた。
「ここ数日ろくにご飯も食べていないようだけど?」
心配しているといえるのだろうか。ドア枠に背をもたせかけ、斜に構えるように立ちながら
「栄養は取っている。問題ない」
「そう。それで見つかったの?」
何をとは聞かない。答えも必要ないだろう。その答えはここ数日の
「諦めなさい。元より内戦をしているような国に正攻法で行く手段なんてないのは、あなただってわかってるでしょ?」
正攻法で行けないならば、取る手段は一つしかない。蛇の道は蛇。行けないはずの場所に行けていたのは、
「
「そう。そして今回このことに触れるのを
分かっていた。本当は
「俺は、弱いな」
「そうね。でもそんな私達でも今できることがある。あなたが05に託されたのは何?」
「悲劇を終わらせること。やつらを皆殺しにして」
憑き物が取れたように、
「やりましょう。それが、私達の望みでもあるのだから」
目指すべき道へ向かって。
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