第二十一話 介入
「やっぱりさっきのは言い過ぎだと思う」
言いすがる
「ただの少年兵じゃ、戦場で味方の死体を増やすだけだ」
「だけど、私たちは!」
「俺たちは特殊だった。それでも戦場に出るまでに何年もかけたんだ。あいつは何年かけてもモノになるとは限らない」
「そんなこと……」
「モノにならない方がいい。そういう生き方もあるんだよ」
悔しそうな表情の
草木も眠る深夜。二つの影が動く。
『聞こえる?』
「こっちは平気だ」
『打ち合わせ通りに始めて、あとは臨機応変にだっけ。援軍が来るのは2時間後の予定だよ』
「了解。それにしても、ここに援助物資全てが運び込まれて外貨に換えられてたとはな」
調査の結果判明した国の保管庫。そこは某先進国の有名企業の支社と倉庫があった場所だった。
『内戦の勃発と同時に現地人以外の労働者は国外へ避難してるんだね。帰ってくるとしても内戦が収まった数年先。最悪壊してしまえば証拠は残らないからだろうって』
「しかも電力やら何やらはまだ生きてるときた。使うなって方が無理がある」
『それもそっか。でも、だからと言って救援物資を貰えるべきはずの人から奪っていい道理はないよ』
「ごもっとも。それじゃ、一発派手に始めるか」
『任せるよ!』
「さて、こんな時間に悪いが、遊んでくれよ」
集まる戦闘員たちに
「たった一人で何ができるってんだ?」
屈強な肉体をした男があざけりながら現れた。
「そうだな、あんた含めここにいる奴ら全員倒すくらいは造作もないな」
「はっ! その細腕でか? おもしれえ。お前らはこいつの仲間が来ないか見張ってろ! こいつは俺がやる」
男がでかいナイフを取り出し右手で逆に構える。
「おらあ!」
容赦なく殴り下ろされたナイフをよけた
「お! 今の防ぐのか。やるな、あんた」
間一髪蹴りを左手で防いだ男だったが、もはや左腕は使い物にならないほど負傷していた。
「その細い身体でこの威力。お前、只者じゃねえな」
「ちょっとばかし人より身体を強化してるだけなんだがな」
「はっ! これがちょっとか。馬鹿にしやがって!!」
片腕になりながら突っ込んできた大男が
「一人ずつなんて面倒なことせずに、全員で来いよ。それでも勝てるかわかんないぜ?」
「やっちまえええええ!!!」
「うおおおおおおおお!!!」
乱戦の中、
「
『
「やってるやってる……っと!」
無線の存在を忘れてぼやいていた
「おー、いい腕したスナイパーがいるな。俺らじゃなきゃ頭ぶち抜かれてたな」
『
「そういうそっちはどうなんだ?」
「武闘派はほとんどそっちに行ったみたい。もうすぐ倉庫に入れるよ」
盗んだ鍵で倉庫の巨大シャッターを開け、隙間から中に入る。
「さすがに中は暗いなぁ。電気は……え? 何、この音?」
『どうした?』
「なんか、エンジン音? みたいなのが……っ!?」
ドガッシャアアアアアン!!!!
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