第十九話 任務
「
突然黙り込み、テレビ画面を凝視する
「海外の紛争?」
「ここ、アッシーウ!?」
テレビに流れる映像を目にした
「
「少し前に俺と
「あの時、任務は成功したのにどうして……」
「その任務のことを詳しく聞かせてくれるか?」
動揺する
「あれは、ほんの少し前のことだ」
問い掛けに促され、
* * *
薄暗がりの空間に甲高い摩擦音が響いている。
「……ここ!」
「甘い!!」
「わっ!? ったたた……」
「精が出るな」
「パパ!」
「おはよう、
「あんたがここに来たってことは、任務か?」
「
「他の誰もそんな呼び方してないだろう」
「可愛くないなぁ」
「あんた、俺に可愛くあって欲しいのか?」
心底嫌そうな顔をした
「……
そんな二人を後目に落ち込んだ表情になる
「こほん。これから資料を配るが、ここにある資料は三組。どういうことかわかるかな?」
「もしかして!」
一転、
「おめでとう! 初任務だ!!」
「やった!!」
「
「はーい!」
嬉しそうに資料を眺める
「おい、いいのか? あいつはまだ……」
「お前もあんなもんだっただろ? それに出会ってからずっと最前線に出せって言い続けてたお前よりは幾分マシな部分もあると思うがな?」
自らの過去を引き合いに出されて
「とにかく頼んだぞ、お兄ちゃん!」
「誰が兄だよ……」
「内戦か……」
二人を乗せたボロボロのジープが車体を揺らしながら、焼け落ちた村の中心を進んでいく。
「結構揺れるねー」
「こんな道しかなくてすみません。何せ隣国は警備が厳しくて……」
「その辺は理解してるつもりだから、気にしないでくれ」
助手席に座った案内人が
やがて焼け落ちた村をしばらく進んだ先の荒野に、大地に同化する色の布で作られた巨大なテントの数々が姿を現した。車はテントの内部に入ると動きを止める。
「お疲れ様です!」
「ん?」
数名の武装兵に迎えられた二人の耳にこの場で聞こえるはずのない子供の声が聞こえた気がした。
「子供の声?」
「……何か騒ぎでも?」
「それが、難民キャンプから子供が流れてきたみたいで……」
警備に当たっていた武装兵の言葉に、
(ここから一番近いキャンプでも車で休まず走って一日)
「その距離を流れて……ね」
何かに気付いた様子の
「
「お、お待ちください!」
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