第十話 邂逅
「もうやめて! その子達には何の罪もないのよ!?」
「やめさせたければ、止めてみるといい。できればですが。くつくつくつ」
「そう、わかった」
覚悟を決めた
「今度は何が出てくるのですか?」
「
「uh~♪」
「
「安心して、眠ってもらっただけだから。でも早く手当てしないと」
「そのためにもこいつをなんとかしないとな」
五人の瞳が
「くつくつくつ。私が手札を全て晒すとお思いですか? こんな時の為に隠れ潜ませた駒が!!」
「念のため、この部屋と周辺にいた人には全員さっきので眠ってもらったよ」
「なっ……!?」
勝ち誇ったように笑っていた
「さすがに聞こえず眠らない駒はいないのだろう?」
「くっ」
「逃がさない!」
「さて、知ってること洗いざらい吐いてもらおうか」
「言っとくが、そいつが俺達の中で一番エグイからな。能力も性格も」
一見手ぶらに見える
「次逃げようとしたらこいつの腹でぶん殴るから覚悟しといてくれ」
見えなくても床に刻まれた傷でその大きさがうかがえた。
「それじゃ始めようか」
二本立てた
滴る頬の血に、震える
「やれ」
たった一言ののち、
「くっ……」
「なんだよ、今の」
「脳が揺れた……みたいな……」
「あいつ、まさか……!?」
「
激しい脳の揺れに耐えた五人は戸惑いながらも体勢を整える。
そんな中何かに気付き、五人が衝撃に襲われている間に逃げ出していた
「何があった?」
「今のは俺達と同じ幻物質使いの仕業だ。それも他の物質に干渉できるだけの力量を有している」
「だが、あの男が言うにはそこまでの数値は出なかったと」
「ああ。単純にあの男が嘘をついていたのか、あるいは……」
「いたぞ」
会話をしながら駆けていた二人は、建物の外で逃げていた
逃げるのをやめた
「えらく逃げ足が速いんだな」
「ただ逃げただけってことはないよな? ……そいつがあんたの切り札か?」
「いかにも! 我々が有する最高戦力! 五号です!!」
「なっ!?」
白日の本に晒された五号と呼ばれる異様な姿をした存在。
四肢が失われたその体はいたるところを管につながれ、生きているのが不思議なほどやせ細っている。
「生きてるのか……?」
「もちろん。ああ、もしかしたらあなた方の中にも懐かしいと感じる存在がいるかもしれませんね。何せ五号は第一世代の生き残りですから」
「!!」
「認識コード05。それが五号のかつての呼び名です」
「05!? そんな、まさか……」
「
「それが、あの05だってのか……?」
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