第11話

 いや、確か彼は孫はおろか、息子もいなかったはず」

「んな馬鹿な」

「んっ、やはり君はあの人の孫かあ」

「じいちゃんのなにを知ってるんだ」

「おい、Dr急に顔を出さないでくれますか」

「何を言う、あの噂が本当だったんだからテンションが上っても仕方ないだろ。

 あっそうだ、聴取俺にやらせてくれないかい船長」

「わかった、録音は引き続きするからな」

 えっ、これ録音されるってか録音されてるのかよ。

 そのまま船長はいやいや部屋の外にでていった。

「さあて、改めてはじめまして~」

 明らかふざけている、なんとも情緒が不安定な人だ。

 さっきののさっきまで迫真としか形容するしかないような見た目をしていたのが、今は脱力して手のひらを髪のようにひらひらさせている。

「君のおじいさんの話や君の名前のフルネームをきいたりしてもいいんだが、それより個人好奇心を優先させてもらうよ。

 あの機体一体なんなんだい」

「といいますと」

「鹵獲して最低でも十時間して補給もできない状態にしたのに、現在に至るまで絶え間なく粒子を少量とはいえ吐き出し続けている。

 あきらかにオーバーテクノロジーだよねえ」

「本当、じいちゃん天才過ぎますよね」

「君もね。

 君の船、設備はここで一週間以内に調整されたログなんかがある。

 あれだけの数の支援AIその全てがかなり質の良いものを持っていた。

 しかしそれでもあれだけのことは困難だ。

 君はおじいさんを超える天才だよ」

「あなたは一体何ですか」

「この世が作った闇、その破片の一片だよ。

 君と話たいことがいくつもあるがその前に少し昔話をするとしよう。

何そんな身構える様なものでもない、いやになる程すごい天才たちの話を少しするだけだか安心してくれ。

あまりの凄さに乱心して狂信してしまうのは勘弁だがな」

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