第7話

 にしてもおじさんのおかげとゆうかなんとゆうかで都市伝説の中には真実もあるってことを教えられるとは思わなかった。

 俺は少しうなだれながら持ってきたアイテムなどの調整や船との接続作業に励んでいる。

「第三シークエン接続エラー」

「了解すぐ直すからそこで待ってて俺が行くまでの間出力は2%抑えて」

 モービルの調整のためにとりあえず家にあるものはあらかた持ってきたがやはり持ってきすぎたかなあ。

 配線調整とかしないと下手すると船の出力不足起こす危険性すらあるから慎重にやってあげなくては。

 無重力下で慣れない基本設定をこなし得意分野のシステムチューンをして仮眠を取るとあっとゆうまに半日が過ぎてしまった。

「コロニー視界に入りました」

 あれは月に一番近く地球にもかなり近くコロニーの中でも特に治安が良いことで有名なm2コロニー。

 とゆうかよく考えれば当たり前か地球に最も近いコロニーなのだから連邦軍の警備も厚くなるとなれば治安もおのずと良くなるよな。

「じゃあ着艦シークエンに移行してくれ」

「了解」

 先ほど巡視艦とのやりとりと同じようなやりとりを経てこれといった難もなくm2に入ることは出来た。

「じゃあさっきにチューンの時に必要になったものと食料以外は買わなくて大丈夫そうだな」

 支援AIたちは肯定するだけだった。

 一人で行くのも心細かったので何機かの支援AIたちと共に船を降りるとそのうちの1機が俺を呼んだ。

 俺を呼んできた支援AIの視線の先にはどこかくらいだが街中にいたら気づくことができなそうな男が立っていた。

 確かこの子はおじさんが月の外に出る時絶対同行させていた子だったはず。

 となるとあの人もおじさんに関係する人なのか。

 おそらくその予測は正しいしかしそれ故に問題が一つ浮かび上がる。

 それはおじさんの味方だったにかはたまた的だったのかとゆうことだ。

 もし味方だったとしてもおじさんの先日の情報の横流しや(おそらく)連邦軍への反逆的な何かによって寝返っている可能性もある。

 何より俺や俺のモービルを盗みにきた可能性すらる。

「お前何者だ」

 奴が声をかけてきた。

 ジロジロ見すぎてしまったからだろうか。

 やつはゆっくりとこちらに詰め寄ってくる。

「その船といい支援用AIといいあの爺さんのだろ」

 こいつDr.Φのことを知ってる。

 それだけじゃないこの支援機たちのことも船のことも。

 いったいどこまで知ってるんだ。

「お前爺さんのなんだ。

 あの人の隠れ家が昨日あたりに吹っ飛んだと聞いてたんだが。

 どうしてこの船をこの子たちをお前が持ってる」

 奴の腕はなんの躊躇もなく気がついた時には俺の胸ぐらは無理やり上に上げられ、その影響で俺の首も視点も無理やり上に上げられてしまっていた。

 俺の体に張り付いた奴の胸板には不自然な凹凸があった。

「俺は」

「すまん、少し熱くなった。

 あの人には恩がある。

 お前のその反応そしてその子達の動きからして相応の事情があるんだろう。

 ここで話すにもなんだ、すぐそこにカフェがある。

 あそこの機密性は他とは一線を隠すぜ」

 促されるまま俺は船に支援AIたちを置い誘導に従った。

「もう一度聞いてもいいかい、君があの人のなんなのか」

 そう聞く男の顔は全体的には優しい印象を受ける例えるんならそれこそ今いるカフェなんかの店員だ。

 シフトの日に確実にくる常連客の女子大生が一人くらいいるタイプの。

 しかしそんな本来優しい印象を受けるはずの男から俺は優しい印象を受け取れない。

 その目はどこかこちらを威嚇してくるような感じだからだ。

「俺はあの人の友人とゆうかなんとゆうかの孫。

 そのよしみで助けてもらった感じです」

「じゃ本来いや、元はどこで暮らしていたの」

「fコロニーの衛星の居住地化した場所に住んでいました」

「確かfコロニーはこの前事故が起きて近隣の衛星もその残骸を浴びてしまって……と聞いていたが」

 どこか申し訳なさそうな仕草をしながら言ってきた。

「ええ私の住み慣れた家はたしに残骸を浴びて砕けました。

 しかしあれは事故ではありません」

 そうあれは事故ではない。

 幾度となく流れてきたニュースその全てがコロニー内部で起きていた実験による偶発的な事故であったとゆう見解を最有力としている。

「俺はみた。

 意味のわからない機体が突如やってきてコロニーをぶっ壊して…そのせいでリアクターやらなんやらが誘爆を繰り返してあの様」

 目の前の男の表情が少し呆気に取られたような表情に変わった。

「まさかだが君、ことも顛末を知ってはいないかい」

 俺はそれを聞いた瞬間全身に衝撃が走った。

 自分に衝撃を走らせる、直感を感じさせる要因はいくらでもある。

 しかし一番最初に思いついた理由は一つだった。

 喋りすぎた。

 この場所の機密性が本当に保証されたわけではないしこいつが味方であることも証明されていない。

 そんな中Drが死んだ理由かもしれないことを口走っってしまった。

「知らないと言ったら嘘になります。

 ですが何者がなんの目的でやったかなんてことは知りません。

 もしかしたら同時多発的に何かをして破壊したのかもしれません。

 そうだとしたらことの断片すらまともに知らないことになります。

 ですが全く知らないとゆうのは嘘になります」

「君は知っている。

 それが何を意味するかはまだわからない。

 しかしまずいことゆうことだけは把握した方がおそらくいい」

 互いに頼んだ一杯のコーヒーを威勢よく飲み込み。

 店をあとにした。

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