第3話 スキル『50』発動
はい、こちらオジサンこと龍真です。
俺には特技があるんだよね。
それは何かというと…
「こっちだと思ったんだが…」
はい、正解!そう、俺は方向音痴です!
どんな所でも道に迷うことが出来ますよー。
え、全然特技じゃないって?
ははは、照れちゃうなぁ。
って、現実逃避してる場合じゃないよな。
あからさまに来た道とは景色が違うよんだな。
──そんな訳で。変な森に迷い込んだ俺は、変な色をした花のバケモノに喰われかけたのだ。
いや、マジで危なかった。
ステータスの事といい、こんなモンスターがいるなんて、まるでゲームのようだよ。
そういやすぐに追い出されたせいで、スキルをちゃんと見てなかったな。
なんか説明が見れそうだったんだよな。
『ステータス』と念じて、もう一度確認してみる。
気になるのは、スキルだ。
えーと、なになに。
『
…結局、平均になるだけかよ!
いや、次だ次。
『
は?
つまりは、なんでも50に増やしたり減らしたり出来るのか?
なんか俺の
うーん、ぱっと見使えなさそうなスキルだよなぁ。
そりゃいらんと言われるわけだ。
あ、試しに金貨に使ってみるか。
もしかして、増えるんじゃないか?!
よし、スキル『
ジャラジャラジャラ…!
「マジかよ!」
思わず口に出してしまったが、本当に増えたぞ!
これでしばらく金に困らないぞ!
って、よく考えたらこれの倍の金貨貰ってたんだよな。
くそっ、あの兵士たちめ!
まぁ、過ぎたことは仕方がない。
ここからさらに増えた金貨を増やせないかな。
『
シーン─
いや、分かってたさ。
増えた方も一度使った対象だってね!
欲に目が眩んだわけじゃないし!
って、誰に言い訳しているんだ俺は。
なるほどなぁ。
もしかしたら新しく手に入れた金貨なら効果があるかも知れないし、手に入れる機会があったら試してみるか。
それはともかく、お金だけあっても仕方がない。
早く町に戻らねばね。
あれから1時間は経ったはずだが、一向に町に着く気配が無いんですが。
もうどっちの方向に向かっているかすらわからん。
ははは、方向音痴もここまで来るとスキルなんじゃないかと疑いたくなるよ。
食い物は全然見つからないし、逆に何度も食われそうになるし、流石に腹減った。
木の実でも見つけれれば、増やしてなんとか凌げると思ったけど、何が食べれるのか全くわからんし。
そしてなんか体がダルい。
まさかと思ってステータスを確認すると…。
げっ!めっちゃ減ってるじゃん。
HP50あったはずが、もう20を切ってる。
これ0になったら死ぬパターンか?
いや、いざと言う時はスキルで50に増やせばいいか?
それも一回やったらもう後が無いだろうしなぁ。
…まてよ?
もしかして、ステータス自体を50に増やせるんじゃないか?
ゲームみたいな仕組みだったとしたら、各ステータスを増やしたらHPも増えるんじゃないか?
うん、俺頭良いな。
そうと決まれば早速やってみよう!
─と思ってた俺がバカでしたよ。
確かに各ステータスは50に増やせたよ?
でもさ、それぞれが増えただけでHPは増えなかった。
ちなみにMPも変化なし。
まぁ、魔法が使えないから意味ないんだけどね。
くそー、なんか手はないか?
見落としてる事とか…。
『ステータス』!!
川西 龍真(かわにし りゅうま)
36歳 男 用務員
レベル:1
HP17/50 MP40/50
力:50
魔力:50
体力:50
知力:50
敏捷:50
技量:50
運:50
スキル:『
年齢は…、増やしてどうすんねん。
思わずエセ関西人になる所だった。
えーと、他に増やせそうなのは…。
おおっ!あるじゃないか!それも飛びっきりのやつが!
これなら、間違いなくHPも増えるはずだ!
もし失敗したら…、いや考えも仕方ない。
どの道このままではのたれ死ぬだけだ。
ええい、ままよ!
【レベルが50にアップしました。各ステータスにボーナスが発生します…】
きたきたきたー!
これで俺は生き残れる!
【スキル『
ふんふんふん、おうもちろんYESだ!
…って、まてまて今なんて言った?!
【スキル『
…これは、なんかヤバい気がする。
『ステータス』!!
川西 龍真(かわにし りゅうま)
36歳 男 用務員
レベル:50
HP2500/2500 MP2500/2500
力:2500
魔力:2500
体力:2500
知力:2500
敏捷:2500
技量:2500
運:2500
スキル:『
HP、MPにいたるまで全て同じとか…!
どないなっとんねーーーーん!!!
いや、ちゃいますねん。
エセ関西人になりたい訳じゃない。
まずは、落ち着こう。
すーはーふー。
よし、空気は澄んでて気持ちいい。
基準が分からんが、確実に一般人よりも強くなったはずだ。
実は弱かったりしたら、この先レベルアップ出来ない可能性もある。
そうなったら町に戻って慎ましく生きよう。
まぁ、その町に辿り着かないんだがな!
まずは実験だな。
あの派手な花を、派手に散らしてやろう!
キシャーッ!
うん、相変わらず元気でなによりだ。
取り敢えず武器なんか無いから、そこらの小石でも投げてみるか。
ポイッ。
ボパンッ!!
おー…。
爆散したな。
なんなら、貫通して花の後ろの木に穴が空いている。
え、強いってレベルじゃなくね?
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