証明出来た。

第2話

　驚きだった。

　多少世の中が、乱れるくらいかとしか考えていなかったが、本当に大混乱におちいっている。

　昨日は、C国が、自国に核ミサイルを撃ち込んだというニュースも流れてきた。

　暗号なんて、素因数分解だけではないだろうに。量子暗号が、一般化するには少し速いだろうが、ここまで混乱するとは、予想外た。

　テレビでは、臨時ニュースが流れている。

　巨大なC国のほんの一部分の小さな島から始まった勢力に、中央政府が押し切られそうになっている。やけっぱちになったC国が、あちこちに核ミサイルを撃ち始めたらしい。

　A国の報復攻撃が始まり、もう間もなくC国は、その歴史を終えようとしている。

　仲良しと思われていたR国とも撃ち合いが始まり、位置関係から共倒れだ。

　この国に向かっているミサイルに、お宝の迎撃ミサイルを使ったが、全て外れたようだ。

　地球の歴史は、終わるらしい。

　２週間前、僕たちはある事を議論した。

　この世の中で、最も危険な学問は何か？

　僕だけが、数学と主張した。

　笑っているみんなに対して、その時僕は、言った。

「信用出来なければ、証明しましょう」

　隣の県の市街地だろうか？

　強い閃光が、目を射る。

　間もなく、ここにも衝撃波が来るだろう。

　　　　　　　　　　Q.E.D.