短編読切「新卒」

この気持ちをどう現せばいいのか

言葉になるのか分からないけれど

ちょっと話そうと思う。


理不尽という付け合わせと

一緒に食べるのが当たり前なんだろうと

そう思った。


嫌、っていうか

嫌ではないけれど

好きにもなれないし


正論と愚論をうまく盛り込んだサラダ

食せば、美味しいとも思えるし

なんだ、こんな不味くて食べられない。


そんな風にもとれる。


ズルイとは思った。

二言目にはウゼえとも思った。


一部はごもっとも。

でも隠しきれない可笑しさが紛れていて

それらを、まとめて、


ほら、美味しいって言いな。

食べれないなんて言わせない。


しかも、それらを

自分からすすんで食べろと言う。


はいはい、って飲み込めない。

洗脳されていくようで嫌になる。


これを乗り越えた先に

待つものはきっと美しい。けれど

それを拝むためにわたしは

自我を捨てる気なんてないから。


お前のことは守るから。

これはわたしが立てた誓いだから。


わたしはわたしという核を持って

大人になる。


お前を守れなくなって

わたしがわたしでなくなってしまった

その時はちゃんと辞めるから。


そう言って、なだめて

今日を終える。


お気に入りのベットで眠るように

居心地のいい思考の雲に

埋もれながら、眠る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スープ 和泉ハル @skyofglory0822

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ