こわれたこころ

バブみ道日丿宮組

お題:イギリス式の内側 制限時間:15分

こわれたこころ

 誰も傷つけずに国を守れるなら、人情なんていらない。ただ武器を持って殲滅するのがいい。血にまみれた街中は間違いなく美しいものだろう。

 かつての世界がそうだったように、今の偽世界は滲むだろう。

 正義なんて所詮悪でしかない。誰も正しさをもってない。誰もが悪で、正義だ。

 人を殺すのに理由は必要ない。

 家畜が家畜をただ殺す。神様が作ったのは所詮そんな物体でしかない。

 ただの水と油と骨の生物。それが地上に生きる動物と呼ばれるものだ。

 知性なんてただ脳みそに毛が生えたものにしか過ぎない。

 そんな世界に未練はない。


 だからこそ、破壊にこそ意思を全ての生きるものは向けよう。


 僕がやることは生きたいやつが生き残れるかもしれないし、死にたいやつが生きながらえるかもしれない。

 これはイギリスがかつて作った方法で禁書扱い。

 この国で同じことをやるには十分な成果を大昔に作り出した。

 今では忘れたい過去として封印された物語のような話だが、正義欲や悪に染まれば簡単に見つかる。

 そう国は、

「……ふふ」

 内側から破壊すれば、いずれ外側に向かって壊れてく。世界なんてただの一部でしかない。

 一部が世界なら、世界も一部。

 例を挙げるなら、医者が与える薬に少しずつ未発見のウィルスを入れる。

 さすれば、病院にくるものは少しずつおかしくなる。

 次は空気。空気は見えないし、どこにいくのかもわからない。

 気づかれやすい昆虫や、ねずみ、本来の家畜の改良は怪しまれる。

 ならば、川に静かに液体を流す。

 海に新種のウィルスが生まれれば、いくつかの品種は滅びを迎える。

 食物連鎖。

 一旦崩れてしまえば、全てが崩壊する。

 

 それが神様が作った地球というテーブルゲーム。


 ルールは簡単。

 見つからないように。

 迅速に。

 派手すぎず。

 

 最後に自分が死ねるように。

「……」

 結局は自分が死ぬ理由を世界に向けたに過ぎない。

 僕は悪いことをしてるのだろうか。

 いや、こんなことを考えさせる人間ってのが悪いのだろう。


 さぁ、はじめよう。


 もう終わりが決まってるデス・ゲームってやつをさ。

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こわれたこころ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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