これは鉄板のネタなんだ

 今でこそほとんどの国民が所有していてもおかしくないスマートフォン。元より携帯電話。

 私はゆとり教育真っただ中に生誕しているので、世の中にはすでに携帯電話というものが一般に普及していたように思う。

 私が幼稚園児だったころに親たちが初めて携帯電話を購入していたことを記憶の片隅に覚えている。そのとき既に二つ折りではあったものの待ち受けが緑の可愛いクジラであったことをなんとなく記憶している。もしかしたら違うかも……。

 それから携帯の進化は凄まじく緑一色だった画面がフルカラーになり、カメラがつき、あまつさえテレビさえ見れるようになるまで進歩し、日本独自の発展からガラパゴス化と例えられ「ガラケー」と称されるほどになった。

 そんなガラパゴス化した携帯に黒船ともいうべき存在が現れる。それがスマートフォンである。

 私が小学校高学年で絶賛アニメオタクと化していたころに仰々しい製品発表会を開き、黒船の大砲が携帯業界に風穴を開けた。

 昨今の生徒たちの携帯所持率がいかほどか知らないが今よりは高いのではないだろうか。しかし当時の生徒ないし学生はクラスの半分も所有していなかったように思う。

 持っている人はクラス内で一目置かれていたし、それきっかけで携帯を親に強請ねだる人も増えた。

 そんな我さきにと携帯を欲しがる上で当時はこういう話題で持ちきりだった。

 

 ガラケー派かスマホ派か


 まだスマホが世に出たばかりで日本国内ではスマホ=iPhone……というより国産のスマホがまだ存在しなかった頃(私が知らなかっただけであったのかもしれないが)はそのスマホに負けじとガラケーも生存戦略を繰り広げていた。

 何があったかは覚えていないがスマホはまだ様子見という人と目新しいものに飛びつく人とで浮足立っていたように思う。


 現在の状況から見て、ガラケーは瞬く間に淘汰されて猫も杓子もスマホとなったが私が初めて携帯を買ってもらったのはスマホだった。

 なんら驚くことはない。アクオスフォンΖゼータだ。ガンダムが好きだったから。

 高校生の折に買ってもらったのだが、既にスマホ一色でガラケーなぞ選択肢にすらなかった。

 当たり前だろう。そういう時代になっていたんだから。

 

 しかし私より二つ上ほどの人たちからすれば、初めての携帯がスマホというのがジェネレーションギャップを感じさせるほどに驚愕らしい。

 専門学生時代のバイト先の店長にすら「え? お前変換の仕方知らねぇの?」と言われる始末だった。だって本当に触ったことないんだから……。

 なので私はよく目上の人と話すネタに初めての携帯はスマホという話をよく切り出す。案外それで驚かれるので何度も擦っている鉄板中の鉄板ネタなのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る