自分の絵を評価してくれる人は、何処にもいない





小さな頃から、絵を描くことが好きだった。



あの時はただ、ほんとうに純粋に、描きたいものを描いて、真っ白な紙に色がつくことが楽しくて。



いつからだろうか、描くことが苦しくなった。


同級生からは馬鹿にされ、両親からはそんなことより勉強しろと言われ、沢山の絵を否定された。

それでも僕は絵を描くことが好きだったし、数少ない友人と、絵を描いては笑っていた。



ある時、友人とSNSで絵を載せてみることにした。


友人の絵は多くの人に見てもらえて、いいねも拡散もたくさんされていた。

僕は友人の絵が好きだったので心底嬉しかった。


しかし、自分の方をみればどうだろうか。全く反応がない。批判すら、もらえないのだ。


自分の評価をしてくれる人は、どこにもいない。




いつしか友人が羨ましくてしょうがなく、自分に劣等感を覚えた。





もう、苦しくてしょうがない。

絵を描いても、辛いだけ。それでも手は進む、絵を描いてしまうのだ。




ああ、苦しいなあ



なぜ、僕は生きているのだろうか。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る