自称有能プログラマーのワイ、ブラック上司から無能認定されクビを宣告されるもノーダメージ。家に帰れば巨乳美少女JKが全肯定してくれます!!
ショート:最近美容室と理髪店の違いを知りました。あと、美容院と美容室がほぼ同義であることも。
ショート:最近美容室と理髪店の違いを知りました。あと、美容院と美容室がほぼ同義であることも。
「はじめまして、本日カットを担当させていただく佐藤です。」
「あ、はい。はじめまして…。」
ショッピングモールの中にあった美容室に入って、悠が髪を切るのを待つ。幸い、飛び入りだったが、カットだけならば受けられるとのことだったのでお願いした。
モラハラ父のせいで、あまり慣れていないのだろう。少し緊張した様子が鏡越しに見える。
いつもは能面のような顔の彼女があんな顔をしているのかと思うとおかしくてしょうがないが、それを誤魔化すように興味もない車の雑誌を眺めていた。
「本日どの程度切られますか?」
「あ、結構短めにしたくて…。ちょっとボブっぽい感じで…。」
「なるほど!!かなりバッサリいかれますね。うーん。一気に切ってしまうと、バランス悪くなると思うので…。お客様の場合ですと……。この辺りがよろしいかと。」
「あー、そのぐらいでお願いします。」
美容師が指し示していたのは、肩より少し下がった程度。腰近くまで伸びていた髪のほとんどを切ることになるだろう。彼女が持っている雑誌のモデルをイメージに切っていくようだが、果たしてどうなるのだろうか。
ワクワクしながら待っていると、美容師は苦い顔をする。
特に整えることも無く成り行きに任せて伸ばした髪に苦戦しているらしい。それでもさすがはプロといったところか、手際よく切っていきだんだん悠の紙が降り積もっていく。俺が切られている時よりもずっと頻繁に周りの掃き掃除をしている。
いや、普通に考えれば当然か。
しばらくすると、悠が艶やかな髪を撫でて照れた笑みを浮かべながらやってくる。
「お待たせしました…。」
「ああ。まぁ…その…綺麗だな。」
「あ、ありがとうございます。」
長さで言えばセミロング。いままでの鬱陶しい長髪がなくなり、顔周りがすっきりしたおかげで能面のような表情の不気味さも和らいでいる。
「あとは……服か。」
「それと、ヘアゴムも欲しいです。いいですか?」
「もちろん。ゴムは雑貨屋か?」
洋服を選ぶ彼女の後ろをついて行くと、店員から怪訝な目を向けられる。なんとなく、そうだろうなという予感はしていたが、ごまかすのも面倒だし非合理的だ。一つため息をついて悠に耳打ちする。
店の前に備え付けられたソファに座って目の前のマネキンを眺めていた。
意味も無くスマホを眺めていると悠からメッセージが届いた。
「この服、私に似合うと思いますか?」
「ああ、似合うと思うぞ。いくらだ?」
「あ、そう、ですよね。すみません。これは……一万二千円ですね。」
正直少し高いなと思ってしまったが、彼女が気に入っている風なら買ってやりたい。少し目を向けてみたが、虚ろな目をしているだけで心の機微が読み取れない。いつものことだが、この目は、いつも以上に冷めていて、愚かな自分を呪っているような目だ。
「もういいのか?いくぞ。」
「はい、ありがとうございます。」
目を伏せたまま俺の背を追いかける悠に、かすかな苛立ちを感じた。そして、それ以上に、合理にかまけて彼女を蔑ろにする無責任な自分がどうしても許せない。けれど、掛けるべき言葉は見つからない。教わらなかった。
「なんて、言えばいいのかは分からないんだが……。本当に似合ってると思った。」
「それって……」
「まぁ、好きなように捉えろ。合理的じゃないことは苦手なんだ。」
……to be continued
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます