第21話 暗殺しない転生者04

すみません、仕事が忙しくて更新ができてませんでした。

______________________________________

「カレン、そっちに行ったぞ!」

「了解・・・シャロン、まだなの?」

「もう少しだから踏ん張りなさい」

 襲いかかってくるモンスターを捌きながら思った、理不尽だと。


 シャロンが持ってきた遺跡の調査は思った以上に大規模なものだった。

 護衛も調査員もそれなりの人数だったことから、楽ができるのではと思っていたのだが、最深部に近づくにつれて様子がおかしいことに気づいた。

 設置されている罠が侵入者に対してと言うよりは、中から出ることを拒むような罠ばかりだったのだ。

 なんでこんな変な作りになっているのかと首を傾げながら調査をすすめたところ、どうもこの遺跡は相当ヤバイものを封印していたらしい。

 持ち出されると大惨事になるため、中に入ったものを外に出さないようにするためにこんな変な作りになっていたというわけだ。

 この段階で即撤退するべきだったのだが、一部の調査員が納得せず勝手に奥に入っていったのだ。

 その事に気づいた俺達は慌てて追いかけたわけだが、追いついたときにはすでに罠が動いており調査員たちはあっさり死亡、残った俺達は発動した罠にハマって苦労しているというわけだ。

 一応、他の調査員たちには撤退の指示を出してきたので大丈夫だと思いたいが本当にいい迷惑である。

「よし、開いた!二人とも、急いで」

「カレン、シャロンと先に行け、俺は足止めをしてから行く」

「わかった、無理しないでね」

「するかよ」

 二人が脱出したのを確認したところで俺は撤退しながらスキルの発動をする。

 準備ができたところで追いかけてくる魔物に足止め用に爆弾を投げつけると同時に外に脱出する。

「シャロン、いまだ!」

 俺の舵手うつを確認したシャロンが火矢を放つと遺跡の入り口上部が爆発し、入り口を完全に塞いでいった。

 それと同時に遺跡全体が崩れるように足元が大きく揺れるのを感じた。

(うまく発動してくれたようだな。どうか完全に崩れていますように)

 そんなことを祈りながら、俺は崩れた遺跡を見詰めていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る