1-8

それからというもの、私の生活は一変した。


あの日から、私は奴らの呼びつけに応じることなく、昼食も購買で弁当を買って食べた。


久しぶりに食べるヒトの昼食は、涙が出そうになるほど美味しかった。


授業態度も一変し、教師にも驚かれた。あまりにも態度が変わったので、担任にはとても心配された。




大きな転機は、思っていたより早く訪れた。


その日の放課後、帰り支度をしていた私の耳に、


「危ない!」


と聞こえたのとほぼ同時に、私は突き飛ばされた。


その後すぐ、鈍い音がして、私の隣に草間優祐が倒れた。鳩尾を押さえて悶絶していた。


目線を上げると、愕然として固まった奴らの顔が見えた。


私は突き飛ばされた痛みも忘れて、彼を介抱していた。


三分もせず、担任と養護教諭がやってきた。養護教諭は、担架を片手に抱えている。


未だ悶絶状態の彼の代わりに、私は事の顛末を話した。


彼は強がって担架に乗ることを拒否していたが、その後から駆け付けた別の教師たちにも説得され、念のためということで、救急車で近くの病院に搬送された。


結果から言うと、彼は次の日も学校に来たが、加害者となった「奴ら」は、全員学校に来なかった。


担任や校長をはじめ、様々な教師から今までの対応を詫びられた。


あまりにも謝られるので、しまいには私の方が申し訳なくなってしまった。




「奴ら」は、停学だけで済んだのだが、それ以降私に絡むことはなく、自主退学をする者もいた。


私への事情聴取など一連のことが終わった日は、卒業考査の最終日だった。


いじめられていた間もずっと勉強していた私は、全ての科目で奴らを上回り、苦手な日本史と化学以外の科目で学年1位を奪取し、総合得点も学年1位になった。同級生達は皆驚いていたが、私が裏で勉強していたという噂が広がると、納得していた。

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