1-6

祖母の葬式が終わり、僕の忌引休暇も終わったその日の朝、僕は自分が指定した時間より10分早く学校に着き、彼女を待った。30分しても彼女は来なかった。


「もしかしたら忘れられていたのかもしれない。」


そう思った僕は、放課後に彼女が手紙を見るよう、昨日と全く同じ文の手紙を入れた。


「これでダメだったらまた別の方法を考えないといけない。」


そんな思いでほとんど眠れなかった。寝不足だったが、呼び出している以上、遅れるわけにはいかない。


心の中で「来てくれ」と強く願いながら、昨日と同じ時間に学校へ向かった。


日の出はまだずっと先で、冷たい風は寝不足の僕の目も開けさせた。


指定した時刻より5分早く、彼女は現れた。その顔は強張っていたが、普段の彼女からは想像出来ない、どこか凛とした雰囲気があるように思えた。

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