第22話 蕾と一馬、付き合っていると嘘を吐く
パパさん。つまりカリオスさんのお父様のフォージャックさんはこう言った。
カリオスを.....母親と共に日本に住まわせる、と.....だ。
俺達は驚愕して見開くぐらいだった。
まさかだろ、と思いつつ。
それから、いきなりだな!?、と考える。
何よりも和也が唖然というか愕然としている。
カリオスさんは涙目で、パパ本当に?、と嬉しそうだ。
赤くなりながら口元に手を添える。
そしてもう一度聞いた。
「.....良いの?本当に?パパ.....」
「お前の為だ.....仕方があるまい.....もう泣くしか無いけどな」
「.....嬉しい。本当に.....和也サンが好きだったから.....」
「.....え!!!!?カリオスちゃんマジで!!!!?」
和也はカリオスさんの言葉に愕然とする。
佐藤と俺は、どよめく。
それからパパさんは号泣して顔を変な顔で歪ませていく。
そして何か博打で負けた様な人の様に腕で手を拭く。
最早、外人さんの面影は無い。
カリオスさんは赤面で頷きながら和也を見る。
和也は、驚きながら涙を浮かべる。
そして涙を拭った。
「.....良かったな。和也。お前は.....過去も今も報われたな」
「.....喧しいわ。お前.....クソッ。.....涙が止まらない」
「.....良かったね。山吹君」
「.....そうだな。佐藤。有難うな」
そしてカリオスさんが最後に歩み出す。
って言うかこれ最早.....結婚式だな.....オイオイ。
と思いながら俺は盛大に溜息を吐く。
だがその中でも笑みを浮かべた。
俺はそして歩み出してから和也と握手する。
「和也。良かった。本当に.....お前の過去も過去だから」
「.....独りぼっちだったからな。.....でも今日から違うみたいだ。彼女出来るみたいだしな」
「.....私は和也サンが好きになって幸せです。本当に」
やれやれこんな美人さんに好かれるとはな。
考えながら額に手を添える。
それからカリオスさんを見る。
そして笑みを浮かべる。
精一杯の笑みを浮かべて、だ。
「.....和也のクソ馬鹿を大切にしてやって下さい」
「.....ハイ。絶対に.....大切にします」
なんて事を何時迄もこの場所でしても仕方が無い。
そう思いながら俺はパパさんを見る。
それから、もし良かったら喫茶店でも入りましょう、と向く。
パパさんは、君は優しい.....君はもしや和也の心の友ってやつなのかい?、と向いてくる。
すると和也が、はい、と答える。
答えたのは俺じゃ無いが。
そしてパパさんに向く和也。
「俺の大切な心の友です」
「.....君は幸せだね。和也くん」
「.....そうっすね。幸せ者っすよ。今は」
そんな言葉を聞きながら俺は少しだけ笑みを浮かべる。
それから.....俺達は移動する事にする。
その際に何か佐藤とパパさんが話していてそれから真っ赤になっていた。
佐藤が、である。
俺は?を浮かべながらその姿を見る。
☆
「改めて。私の名前はフォージャックです」
「私はカリオスです」
そんな自己紹介をしてくる2人の美人さんとイケメン。
俺はその神々しさに汗を流しながら向く。
和也も佐藤も汗をかいていた。
俺は真剣な顔で息を整えながら前を見る。
「俺は内藤一馬です」
「私は佐藤蕾です」
「俺は山吹和也です」
そして俺は自己紹介を終えてから飲み物を飲む。
これは喉が渇きそうだ。
何かこの場所に居るのが違う様な。
本気で太陽を見ている様な感覚だな.....。
考えながら俺はジュースを飲んだ。
「時に」
「.....はい」
「佐藤さんは一馬くん。君が好きなのかい?」
「ぶふぁぁ!?」
吹き出してしまったじゃねーか!!!!!
いきなり何だ!?、と思いながら佐藤と周りの人達を見る。
カリオスさんは目を丸くして赤くなる。
その通りだがまさかいきなり言ってくるとは。
オレンジジュースが気管に入ってしまった。
咳き込んでいるとするとパパさんは、何。隠す必要は無い。私もその恋が成就する様に手伝おう、と言ってくる。
何か誤解している気がするんだが.....俺は考えながら苦笑い。
「フォージャックさん。何か誤解なさっているんですが」
「.....え?何を?」
「私と、か.....じゃなくて一馬くんは付き合ってないですよ」
「そんな馬鹿な!?オーマイゴッド!」
側頭部に手を添えて嘆くパパさん。
その姿に俺達は.....苦笑いを浮かべる。
そして見ているとパパさんは、では貴方達はどの様な関係が!?、と絶句する。
俺達は。
特に佐藤が、えっと、と困惑しながら赤面する。
それから.....モジモジする佐藤。
「.....えっと.....」
「.....」
「.....」
「.....」
期待する様に見つめる3人。
俺は額に手を添えながら.....見つめる。
何というか少しだけこの場に居づらくなったのだが.....。
俺は思いながら佐藤を見る。
佐藤は俺を見ている。
「で、でもやっぱり嘘です。付き合っています!!!!!」
「は?!えぇ!!!!?」
「ふぁ!?」
俺達は愕然とした。
いきなり何を言ってんだよ佐藤!!!!?
特にパパさんが愕然として目を丸くする。
え!?どっちなのですか!?、と、だ。
佐藤は意を決している様に見えるのだが.....いやいや!?
俺は驚愕しながら佐藤を見る。
そんな佐藤は小さく耳打ちをしてきた。
赤くなりながら、だ。
「い、今だけ。ね?かーくん。お願い。.....今だけ、ね.....?」
「.....お前な.....まあ今だけなら良いけど.....」
「.....やった!」
それから佐藤は俺の腕に絡んでくる。
オイオイ!、と思いながら赤くなりながら見る。
すると、成程!もしや佐藤さんはツンデレなのデスね!、とカリオスさんが目を輝かせてそのまま納得した。
いやちが。いや。納得するのかよ!、と思いながら俺はニコニコしている佐藤を苦笑いで見つめる。
佐藤は本当に嬉しそうに俺の腕に縋っていた。
和也まで誤解する。
「いや、え!?佐藤って付き合っていたのかお前と!?」
「.....そ、そうだな.....うーん」
「早く言えよお前!?」
「いや.....うーん.....」
何も語る事が出来ないんだが。
どうしたものかな、と思いながら周りを見渡すと。
いつの間にか山口と門司が.....俺を見ていた.....。
喫茶店の対向辺りで.....それも黒いオーラを流しながら、である。
俺はまさかの展開に冷や汗を流した。
「.....」
「.....」
うーん.....これどうしたものかな。
俺は顔を引き攣らせて冷や汗を流しながら.....頭に手を添える。
困った.....なこれ。
いや割と本気で、だ.....。
どうしたものか.....。
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