3.204号室(クーラー付き)が空き部屋になりました。
それは突然だった。壁を通じてコミュニケーション(一方的な注意であるが…)を取っていた隣の204号室の住人が、引っ越したらしいのだった。
それを受けて、張り出されたお知らせの紙に美月は釘付けになる。
「204号室の入居者が退去されました。クーラーを残されるとのことで、クーラーを引き取られたい方、別の部屋からご移動されたい方は、管理会社までご連絡ください。」
クーラー、夢のような言葉であった。じめじめとした梅雨を経て、もう時期やってくる夏。例年通りとなれば、猛暑が予想される。去年の夏にクーラーが壊れ、お金がないため修理にも出せていない美月にとって、今年の夏を乗り切る、いや、生き残るためには、なんともありがたい救いの手であった。
それに、よく読んでみれば、204号室への移動も可能とのこと。今住んでいる203号室は雨漏りがひどく、困っていたところであった。
(このチャンス…なんとしても手にしたい…!)
その場で管理会社に電話をかけ、クーラーの引き取りと部屋の移動希望を申し出る。
ほかに2件ほど申請がきているとのことで、結果は追って連絡となったが、美月は夢のクーラー生活に早くも胸を躍らせるのであった。
壁の薄いお隣さんは私が欲しい「ワタシ」でした。 夢見 月 @genjitu_tohi
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