『ともだち』
昔、地球に人が住めなくなってしまったころ、人は月に住んでいました。
月では人が自由にで歩けないのでたくさんのロボットを使って生活に必要な様々な事をしています。『ともだち』もその一つです。
月の人は少なくペットを飼うことも難しいので、大人は子どもに『ともだち』としてロボットを与えていました。彼らは賢く、大人からも制御がしやすいので重宝されていました。
そんな中、ある子供が『ともだち』にお願いをしました。
「隕石がたくさんたくさん欲しい!」
その子は学習の時間に自慢された他の子の隕石がとても羨ましかったのです。
隕石は外に出なければ手に入りません。隕石が月に落ちてくるのは珍しくなくても、子どもが手に入れるのはとても難しかったのです。
他の子も親が仕事で外で活動する際に拾ったもので、子ども自身が手に入れたものではありませんでした。
その子のお願いを聞いて『ともだち』は外に隕石を探しに行きます。
『ともだち』はひと握りの隕石を集めました。
それでもその子は満足しません。
『ともだち』は両手いっぱいの隕石を集めました。
それでもその子はもっと欲しいと言います。
それを何度も繰り返してとうとう『ともだち』は帰って来なくなりました。
そんな時、その子は地球への移住をする事になりました。もう月に帰ってくることは出来ませんがとても名誉な事なので、その子は喜びました。
喜んで、準備なども忙しくなって『ともだち』の事を忘れていました。
けれども、『ともだち』忘れません。
『ともだち』は今でも月で隕石を集めているのです。
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